[P-YB-13-2] 回復期脳卒中患者における起床時不快感の調査研究
キーワード:脳卒中, 痛み, 半構造化面接法
【はじめに,目的】
臨床で経験する脳卒中患者の訴えに,起床時に特有もしくは増悪するしびれ,こわばり,関節痛などの不快感(以下,起床時不快感)がある。この起床時不快感は,動作能力の低下やリハビリテーションの意欲低下など,脳卒中後の理学療法に影響を与える可能性がある。しかしながら,起床時不快感に関してその実態を調査した報告はない。そこで本研究では,回復期脳卒中患者を対象に半構造化面接を行い,起床時不快感に関する実態を調査することを目的とした。
【方法】
対象は2015年4月から10月の間に,当回復期リハビリテーション病院に入院した脳卒中患者221名の内48名(男性27名,女性21名,年齢64±12歳,発症後日数83±41日:平均値±標準偏差)とした。採用基準は,初発脳卒中患者,年齢20~80歳とした。除外基準は,Mini Mental State Examinationが20点以下,三環系うつ薬を服用している者とした。
調査方法は,半構造化面接法とした。質問内容は,予備的検討から,起床時不快感の有無,具体的な不快感の内容,不快感の持続時間,日常生活に与えている影響,不快感軽減の為の取り組みに焦点を当てて行った。起床時不快感の定義は,起床時に特有,もしくは特に強く感じるこわばりや関節痛,しびれ,腰痛などの症状とした。なお,起床時不快感と同等の症状が日中持続する者は,起床時不快感なしとした。解析は,得られた回答から,それぞれの項目で単純集計を行った。
【結果】
起床時不快感を訴えた者は,48名中17名で35.4%であった。起床時不快感を有した時期は,17名中10名が脳卒中発症直後からであった。起床時不快感の種類は,痛み7名,しびれ6名,こわばり3名,重たさ2名,その他2名であった(複数回答あり)。起床時不快感の発症部位は,痛みが腰部3名,上肢2名,頭部2名,胸部1名,背部1名(複数回答あり)であった。しびれは足趾2名,上下肢1名,上肢1名,手指1名,下腿1名であった。こわばりは下肢2名,腰部1名であった。重たさは上肢1名,下肢1名,腰部1名であった。起床時不快感の持続時間は,17名のすべての人が午前中までに消失すると回答した。起床時不快感により,妨げられる動作があると回答した者は17名中8名で,起き上がり3名,歩行2名,寝返り1名,その他3名であった(複数回答あり)。また,起床時不快感軽減への対応を行っている者は19名中13名で,ストレッチ3名,マッサージ3名,体操3名,睡眠時の姿勢変換2名,その他2名であった。
【結論】
起床時不快感は,回復期脳卒中患者の約4割が症状を有しており,その約半数で動作が妨げられると答えた。今後,対象者を増やし,詳細な検討を行う必要があると考える。
臨床で経験する脳卒中患者の訴えに,起床時に特有もしくは増悪するしびれ,こわばり,関節痛などの不快感(以下,起床時不快感)がある。この起床時不快感は,動作能力の低下やリハビリテーションの意欲低下など,脳卒中後の理学療法に影響を与える可能性がある。しかしながら,起床時不快感に関してその実態を調査した報告はない。そこで本研究では,回復期脳卒中患者を対象に半構造化面接を行い,起床時不快感に関する実態を調査することを目的とした。
【方法】
対象は2015年4月から10月の間に,当回復期リハビリテーション病院に入院した脳卒中患者221名の内48名(男性27名,女性21名,年齢64±12歳,発症後日数83±41日:平均値±標準偏差)とした。採用基準は,初発脳卒中患者,年齢20~80歳とした。除外基準は,Mini Mental State Examinationが20点以下,三環系うつ薬を服用している者とした。
調査方法は,半構造化面接法とした。質問内容は,予備的検討から,起床時不快感の有無,具体的な不快感の内容,不快感の持続時間,日常生活に与えている影響,不快感軽減の為の取り組みに焦点を当てて行った。起床時不快感の定義は,起床時に特有,もしくは特に強く感じるこわばりや関節痛,しびれ,腰痛などの症状とした。なお,起床時不快感と同等の症状が日中持続する者は,起床時不快感なしとした。解析は,得られた回答から,それぞれの項目で単純集計を行った。
【結果】
起床時不快感を訴えた者は,48名中17名で35.4%であった。起床時不快感を有した時期は,17名中10名が脳卒中発症直後からであった。起床時不快感の種類は,痛み7名,しびれ6名,こわばり3名,重たさ2名,その他2名であった(複数回答あり)。起床時不快感の発症部位は,痛みが腰部3名,上肢2名,頭部2名,胸部1名,背部1名(複数回答あり)であった。しびれは足趾2名,上下肢1名,上肢1名,手指1名,下腿1名であった。こわばりは下肢2名,腰部1名であった。重たさは上肢1名,下肢1名,腰部1名であった。起床時不快感の持続時間は,17名のすべての人が午前中までに消失すると回答した。起床時不快感により,妨げられる動作があると回答した者は17名中8名で,起き上がり3名,歩行2名,寝返り1名,その他3名であった(複数回答あり)。また,起床時不快感軽減への対応を行っている者は19名中13名で,ストレッチ3名,マッサージ3名,体操3名,睡眠時の姿勢変換2名,その他2名であった。
【結論】
起床時不快感は,回復期脳卒中患者の約4割が症状を有しており,その約半数で動作が妨げられると答えた。今後,対象者を増やし,詳細な検討を行う必要があると考える。