[P-YB-14-5] 歩行時の免荷が3軸加速度計により算出される身体活動量に及ぼす影響
Keywords:加速度計, 身体活動量, 免荷
【はじめに,目的】
高齢者における身体活動量を向上させることは,寝たきりや死亡リスクを減少させる効果があると報告されている。高齢者における身体活動量の向上を促進するために,身体活動を正確かつ簡便に測定可能な評価法が必要であり,近年,その評価法として3軸加速度計が多く使用されている。しかし,杖や手すり等の歩行補助具を日常で使用する高齢者においても,3軸加速度計が正確に身体活動量を測定できるかどうか明らかではない。本研究では,歩行時の免荷が3軸加速度計により算出される身体活動量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は上下肢に整形外科的疾患のない,若年健常女性15名(平均±標準偏差,年齢20.9±0.9歳,身長160.7±3.6cm,体重54.8±5.4kg)とした。被験者は全歩行条件においてトレッドミル上を50m/minの速さで3分間歩いた。その際,歩数を計測するためビデオ撮影を実施した。歩行条件は,両側の手すりを持たずに歩く条件(以下フリー),触るのみで歩く条件(以下タッチ),体重の1/5,1/3,1/2免荷した状態で歩く条件(以下1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷)の全5条件とした。また,手すりの高さは大転子の高さ(81.3±2.3cm)に設定した。
3軸加速度計Active style Pro HJA-750C(以下ASP,オムロンヘルスケア)を用いて運動強度と歩数を測定した。また呼気ガス分析装置AERO MONITOR AR-300(ミナト医科学)を用いて測定した酸素摂取量より運動強度を換算した。運動強度の一致率は,ASPによる運動強度を呼気ガス分析による運動強度で除して求めた。歩数の一致率はASPによる歩数をビデオ撮影による歩数で除して求めた。運動強度の解析には最初と最後の30秒を除いた2分間のデータを用い,歩数の解析には最初と最後の1分を除いた1分間のデータを用いた。
統計学的解析は,各条件における,ASPおよび呼気ガス分析による運動強度の比較,ASPおよびビデオ撮影による歩数の比較には対応のあるt検定を用いた。運動強度と歩数におけるそれぞれの一致率の比較には一元配置分散分析を用い,多重比較検定にフリーを対照群としたDunnett検定を行った。全ての危険率は5%未満とした。
【結果】
ASPによる運動強度が呼気ガス分析による運動強度より,フリー,タッチにて有意に高値を示し(p<0.05),1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.01)。運動強度の一致率はフリーと比較して1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.01)。ASPによる歩数がビデオ撮影による歩数より,1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.05)。歩数の一致率はフリーと比較して1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.05)。
【結論】
本研究は,歩行時の免荷が3軸加速度計により算出される身体活動量に及ぼす影響を明らかにした。ASPは免荷をした際に,身体活動量を過小評価し,その傾向が免荷量の増加に伴い強く認められた。
高齢者における身体活動量を向上させることは,寝たきりや死亡リスクを減少させる効果があると報告されている。高齢者における身体活動量の向上を促進するために,身体活動を正確かつ簡便に測定可能な評価法が必要であり,近年,その評価法として3軸加速度計が多く使用されている。しかし,杖や手すり等の歩行補助具を日常で使用する高齢者においても,3軸加速度計が正確に身体活動量を測定できるかどうか明らかではない。本研究では,歩行時の免荷が3軸加速度計により算出される身体活動量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は上下肢に整形外科的疾患のない,若年健常女性15名(平均±標準偏差,年齢20.9±0.9歳,身長160.7±3.6cm,体重54.8±5.4kg)とした。被験者は全歩行条件においてトレッドミル上を50m/minの速さで3分間歩いた。その際,歩数を計測するためビデオ撮影を実施した。歩行条件は,両側の手すりを持たずに歩く条件(以下フリー),触るのみで歩く条件(以下タッチ),体重の1/5,1/3,1/2免荷した状態で歩く条件(以下1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷)の全5条件とした。また,手すりの高さは大転子の高さ(81.3±2.3cm)に設定した。
3軸加速度計Active style Pro HJA-750C(以下ASP,オムロンヘルスケア)を用いて運動強度と歩数を測定した。また呼気ガス分析装置AERO MONITOR AR-300(ミナト医科学)を用いて測定した酸素摂取量より運動強度を換算した。運動強度の一致率は,ASPによる運動強度を呼気ガス分析による運動強度で除して求めた。歩数の一致率はASPによる歩数をビデオ撮影による歩数で除して求めた。運動強度の解析には最初と最後の30秒を除いた2分間のデータを用い,歩数の解析には最初と最後の1分を除いた1分間のデータを用いた。
統計学的解析は,各条件における,ASPおよび呼気ガス分析による運動強度の比較,ASPおよびビデオ撮影による歩数の比較には対応のあるt検定を用いた。運動強度と歩数におけるそれぞれの一致率の比較には一元配置分散分析を用い,多重比較検定にフリーを対照群としたDunnett検定を行った。全ての危険率は5%未満とした。
【結果】
ASPによる運動強度が呼気ガス分析による運動強度より,フリー,タッチにて有意に高値を示し(p<0.05),1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.01)。運動強度の一致率はフリーと比較して1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.01)。ASPによる歩数がビデオ撮影による歩数より,1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.05)。歩数の一致率はフリーと比較して1/5免荷,1/3免荷,1/2免荷にて有意に低値を示した(p<0.05)。
【結論】
本研究は,歩行時の免荷が3軸加速度計により算出される身体活動量に及ぼす影響を明らかにした。ASPは免荷をした際に,身体活動量を過小評価し,その傾向が免荷量の増加に伴い強く認められた。