The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本糖尿病理学療法学会企画 » シンポジウム

[DM-2] シンポジウム 糖尿病に対する理学療法の発展を目指して~臨床介入研究最前線~やればできる!! 糖尿病の理学療法介入研究

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 5:00 PM B2会場 (東京ベイ幕張ホール No. 3・4)

座長:横地 正裕(あさひ病院リハビリテーション科), 座長:大平 雅美(信州大学医学部保健学科理学療法学専攻)

日本糖尿病理学療法学会企画

[DM-2-3] 高齢糖尿病患者のロコモ予防に向けた運動介入効果の検証

片岡 弘明 (KKR高松病院リハビリテーションセンター)

近年,日本の糖尿病患者数は増加の一途を辿っており,2014年の国際糖尿病連合(IDF)からの報告では約1100万人であることが示された。さらに,わが国は本格的な超高齢化社会へと突入し,65歳以上の高齢者数も糖尿病患者と同様に増加している。このような現状から,今後,臨床現場において高齢糖尿病患者に介入する機会が激増することが予想される。高齢糖尿病患者への運動療法介入の目的は,血糖コントロールの改善のみならず,慢性合併症の発症・進展予防,心肺機能の向上,転倒予防,健康寿命の延伸などが挙げられる。しかし,人間の身体は加齢に伴いさまざまな変化が起こるため,壮年期の糖尿病患者とは異なった介入が必要となるが,高齢者に焦点を当てた安全で効果的な運動療法プログラムは確立されていない。糖尿病の基本治療である運動療法は,有酸素運動とレジスタンス運動に分類される。有酸素運動は血糖コントロールや脂質代謝異常の改善効果など,レジスタンス運動は血糖コントロール,インスリン抵抗性,血清脂質の改善,血圧の低下,筋力増強の効果などが期待できるとされる。諸種の報告があるが,筋力の増強には最大筋力の50%~70%の高い強度が必要とされている。糖尿病患者,特に高齢患者が糖尿病特有の合併症を併発した場合,高い強度およびその運動を継続することで,合併症が増悪するリスクが考えられることから50%~70%の強度設定は難しい。そのため,日常臨床において高齢糖尿病患者に対するレジスタンス運動の強度は,最大筋力の中等度(50%程度)の強度で設定されることが多いが,これは運動指導者の経験則に基づくものである。そこで我々は,眼圧や呼吸循環動態を評価指標としてレジスタンス運動の安全性を検証した。本シンポジウムでは,現在進行中の高齢糖尿病患者を対象とした運動療法介入試験(ランダム化比較試験)について紹介する(UMIN-CTR試験ID:000024416)。