[DM-3-2] 重症虚血肢に対する血行再建術とリハビリテーション
【はじめに】末梢動脈疾患(PAD)の間歇性跛行肢治療の第一選択は薬物併用監視下運動療法であるが,監視下運動療法は普及していない。PADの慢性重症虚血肢(CLI)治療の第一選択は血行再建であるが,血管内治療(EVT)はともかく,糖尿病や透析患者に多い膝下病変に対する末梢バイパス術は普及していない。またCLIは著しいADL低下を来すにも拘わらず,リハビリは禁忌とさえ言われてきた。この現状は打開せねばならない。
【CLIに対するリハビリの意義】血行再建(EVT or/and バイパス)のみ施行しリハビリは行わなかった12例の患者(血行再建単独群)と血行再建施行後12週の包括的リハビリプログラム(運動療法,ROM訓練,レジスタンストレーニング,日常生活指導)を施行した12例の患者(リハ併用群)の予後を比較したところ,開存率や救肢率に差はなかったが,リハ前,1年後で比較した歩行可能率(%)(血行再建単独群:前50,後33,リハ併用群:前50,後83),SF-36 PCS(血行再建単独群:前32.4±6.8,後32.8±7.2NS,リハ併用群:前31.7±7.1,後41.0±7.0**),およびBNP(pg/ml)(血行再建単独群:前53.0±33.0,後56.2±32.4NS,リハ併用群:前48.7±20.0,後32.0±14.2*)はリハ併用群のほうが良好であった(*P<0.05,**P<0.01)。なおこれらのパラメータは術式(EVTかバイパスか)による差はなかった。
【まとめ】CLI患者のADLを考えれば血行再建にリハビリを併用することが重要である。しかしPADの内科的治療を専門とする医師が少なく,PADのリハは普及していない。末梢バイパス術が施行できる医師,施設を増やすとともに,PADのリハに関与する医師の増加と理学療法士の活躍を期待したい。それはCLI患者のADL向上のみならず,間歇性跛行肢への過剰なEVTを抑制し,PAD患者の生命予後,QOLの改善へ繋がると期待される。
【CLIに対するリハビリの意義】血行再建(EVT or/and バイパス)のみ施行しリハビリは行わなかった12例の患者(血行再建単独群)と血行再建施行後12週の包括的リハビリプログラム(運動療法,ROM訓練,レジスタンストレーニング,日常生活指導)を施行した12例の患者(リハ併用群)の予後を比較したところ,開存率や救肢率に差はなかったが,リハ前,1年後で比較した歩行可能率(%)(血行再建単独群:前50,後33,リハ併用群:前50,後83),SF-36 PCS(血行再建単独群:前32.4±6.8,後32.8±7.2NS,リハ併用群:前31.7±7.1,後41.0±7.0**),およびBNP(pg/ml)(血行再建単独群:前53.0±33.0,後56.2±32.4NS,リハ併用群:前48.7±20.0,後32.0±14.2*)はリハ併用群のほうが良好であった(*P<0.05,**P<0.01)。なおこれらのパラメータは術式(EVTかバイパスか)による差はなかった。
【まとめ】CLI患者のADLを考えれば血行再建にリハビリを併用することが重要である。しかしPADの内科的治療を専門とする医師が少なく,PADのリハは普及していない。末梢バイパス術が施行できる医師,施設を増やすとともに,PADのリハに関与する医師の増加と理学療法士の活躍を期待したい。それはCLI患者のADL向上のみならず,間歇性跛行肢への過剰なEVTを抑制し,PAD患者の生命予後,QOLの改善へ繋がると期待される。