The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本糖尿病理学療法学会企画 » 教育講演3

[DM-4] 教育講演3 糖尿病理学療法研究のススメ はじめの一歩:研究デザイン,上手なアンケートの作り方と統計解析

Sun. May 14, 2017 10:40 AM - 11:40 AM B1会場 (東京ベイ幕張ホール No. 1・2)

司会:井垣 誠(公立豊岡病院日高医療センターリハビリテーション技術科)

日本糖尿病理学療法学会企画

[DM-4] 糖尿病理学療法研究のススメ はじめの一歩:研究デザイン,上手なアンケートの作り方と統計解析

坂根 直樹 (京都医療センター臨床研究センター)

我々の研究室では,糖尿病予防や糖尿病教育の研究の他に,臨床研究実践セミナーの開催や臨床研究支援を行っている。臨床研究実践セミナーでは,統計倫理,研究の進め方,研究費の獲得などの他に,上手なアンケートの作り方や統計解析についても講義している。適当にデータを集めてから,統計解析をするのではなく,事前に解析する作戦を練っておくことが大切である。学会で発表するために準備を始めると,いろんな疑問がわいてくる。「どんな調査票を作ったらいいの?」(研究仮説の確認),「同じような研究をしている人はいるの?」(先行研究を探索),「どのくらいの人数を集めたらいいの?」(サンプルサイズの算定),「データをどんな風に入力したらいいの?」(上手なエクセルの使用法),「アンケートは作ってみたものの,いいアンケート?」(妥当性と信頼性),「どんな統計解析法を使ったらいいの?」(統計解析法の選択)などの疑問が出てくる。思いつきで作る,答えにくい,とりあえずとってみた,集計しにくい(選択肢が多すぎる,少なすぎる),自由記述が多すぎる(あとで集計が大変),妥当性がない(学会発表や論文作成で困る),患者さんへのフィードバックがないアンケートはだめな例である。趣旨の説明,適度な字の大きさ,用語が明確,わかりやすい設問,選択肢が適切,記入に時間がかからない(少しかかっても負担を感じない工夫がある),妥当性と信頼性がある,違う視点からの設問がある(信頼性が高まる),データを入力しやすい,患者さんへのフィードバックがある,などがあるとより良いアンケートになる。エクセル上でもある程度の簡単な統計解析は可能であり,高価な統計解析ソフトを購入しなくとも,Web上や無料でダウンロードできるソフトもある。きちんと研究デザインを組み,臨床上の疑問が解決された時の嬉しさは何とも言えない。本講演ではその一端をご紹介できればと考える。