The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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[JS-5] 鼎談 これからの理学療法士への提言―求められる臨床力とは―

Fri. May 12, 2017 5:50 PM - 7:20 PM A1会場 (幕張メッセ国際会議場 コンベンションホール)

司会:半田 一登(日本理学療法士協会)

協会企画2

[JS-5] これからの理学療法士への提言―求められる臨床力とは―

半田 一登 (日本理学療法士協会)

昭和41年に理学療法士が誕生して以来,約50年が経過しました。この間,理学療法士の質ということで歴代会長が記念誌に投稿され,理学療法士の質を早急に高めることを述べています。果たして理学療法士の質は全体として上がってきたのでしょうか。昭和46年に当時の厚生省が「高齢社会の到来に対してリハビリテーション医療と介護力を高める必要がある」と発表し,リハビリテーション医療の普及を求めています。その後,厚生労働省の強い政策誘導でリハビリテーション医療は拡大し,理学療法士の養成数もうなぎ上りとなりました。しかし,現在開かれています理学療法士の需給検討会では,「理学療法士は近いうちに余ります」というのが厚生労働省医政局の考えかたです。はっきりと「量」の時代から「質」の時代に転換したのです。
一方この数年間,理学療法士の業務範囲は拡大の一途をたどっており,病期的には急性期での病棟勤務・介護保険分野(訪問系・通所系),疾患別ではがんのリハビリテーション等が加わってきました。それぞれの場面において理学療法士の質,即ち臨床力を問われる機会が増え続けていますが,課題はそれぞれの病期や疾患別によって求められる像が違う事です。多様化した理学療法士へのニーズに応えられる教育や卒後研修はいかなるものか,理学療法士が自ら論議し,大きく方向転換する必要があります。国家試験の合格だけを目指す教育では対応不可能な状態です。教育がすべての始まりです。自らの将来は,自ら考え,自ら決定し,自ら行動する時期です。
この度の鼎談では,我々が考えるヒントをいただくために,各界の責任ある立場の方々からご意見をいただき,臨床力の向上に向けた臨床実習前教育・臨床実習・卒後研修等について論議を深めると共に各発言者から理学療法士の将来に向けた忌憚のない意見を承る所存です。