第52回日本理学療法学術大会

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[JS-9] シンポジウム2 世界へ挑戦しよう―海外留学のすすめ

2017年5月13日(土) 16:00 〜 17:30 A1会場 (幕張メッセ国際会議場 コンベンションホール)

座長:西田 裕介(国際医療福祉大学成田保健医療学部理学療法学科)

大会企画

[JS-9-2] 理学療法研究を推進するための海外留学のすすめ

山口 智史1,2,3 (1.日本学術振興会海外特別研究員, 2.Department of Neuroscience and Pharmacology, University of Copenhagen, 3.慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室)

海外留学には,留学への憧れと期待がある一方で,『何を目的に留学するか』,『留学先はどこにするか』,『どのくらいの期間行くか』,『今の仕事はどうするか』,『家族はどうするか』,『資金はどうするか』,『留学後はどうするか』など,多くの不安と解決しなければいけない課題があります。この多くの課題が,留学への興味の消失,躊躇,諦めさせてしまうことがあると考えます。この課題をクリアもしくは棚上げして,海外へ留学するためには,非常に大きな決断が必要です。また留学を決断した後には,準備をして,いざ留学を開始すると,良いことや悪いことなど様々な経験をします。

現在,私は独立行政法人日本学術振興会の海外特別研究員制度(https://www.jsps.go.jp/j-ab/)の支援を受け,デンマークにあるコペンハーゲン大学へ留学しています。コペンハーゲン大学では,Jens Bo Nielsen教授に師事し,研究活動に従事しています。私が研究室を選択した理由は,患者を対象とした臨床研究からモデル動物による基礎研究まで,幅広い領域における研究を遂行し,ヒトの運動制御,中枢神経疾患の病態の理解とそのリハビリテーションに取り組んでいることにあります。なかでも,歩行の中枢神経機構,運動学習,神経可塑性について,神経生理学やバイオメカニクスなどから研究を行っており,これまでの自身の研究をさらに推進できると考えたからです。

本シンポジウムでは,私の経験から理学療法研究の分野で,どのような過程を経て留学を決意し,どのように留学資金を獲得し,どのような研究活動を行っているか,などを紹介することで,理学療法士としての1つのキャリアモデルを提示したいと考えています。また,海外留学の経験から見えてくる国内の理学療法研究における課題について議論することで,理学療法の更なる発展に寄与したいと考えています。