[KS-1] 運動器疾患・呼吸循環器疾患に対する理学療法―動物モデルを用いた検証―
理学療法における対象疾患は多種多様であるが,骨折や腰痛症,変形性関節症などの運動器疾患や慢性閉塞性肺疾患(COPD)および心不全などの呼吸循環器疾患を合わせると全体のおおよそ60%にのぼると言われている。本協会が公開した理学療法診療ガイドラインにおいて,それぞれの疾患での理学療法介入による推奨グレードやエビデンスレベルが示されているが,共通認識として,1)理学療法介入は標準化されるに至っていないこと,2)科学的根拠に乏しく,有効性に関する研究が少ないこと,3)運動療法や物理療法の有効性についてのメカニズムを基礎研究と共同して検討する必要があることなどが挙げられている。
本邦の多くの理学療法士も基礎研究を展開しており,運動生理学やバイオメカニクス,ニューロリハビリテーションなど,また,それらを基盤とした運動療法介入および物理療法介入に関してエビデンスを構築している。とりわけ動物実験においては,人を対象とする研究では解明できない組織レベルでの機能的・形態学的分析や分子生物学的手法を用いたタンパク,遺伝子レベルでの証明が可能となる。しかし,動物モデル作成での均質化,さらにはモデル完成後の理学療法介入の多様化によって苦慮する経験も少なくない。
本講演では,国内外での共同研究から得られた成果をもとに理学療法と関りのある変形性関節症や骨折などの運動器疾患動物モデル,肺気腫や心不全などの呼吸循環器疾患動物モデルの作成からそのモデルでの理学療法の可能性について基礎理学療法学の視点から紹介・検討していく。今後の臨床・研究活動の一助となっていただけると幸いである。
本邦の多くの理学療法士も基礎研究を展開しており,運動生理学やバイオメカニクス,ニューロリハビリテーションなど,また,それらを基盤とした運動療法介入および物理療法介入に関してエビデンスを構築している。とりわけ動物実験においては,人を対象とする研究では解明できない組織レベルでの機能的・形態学的分析や分子生物学的手法を用いたタンパク,遺伝子レベルでの証明が可能となる。しかし,動物モデル作成での均質化,さらにはモデル完成後の理学療法介入の多様化によって苦慮する経験も少なくない。
本講演では,国内外での共同研究から得られた成果をもとに理学療法と関りのある変形性関節症や骨折などの運動器疾患動物モデル,肺気腫や心不全などの呼吸循環器疾患動物モデルの作成からそのモデルでの理学療法の可能性について基礎理学療法学の視点から紹介・検討していく。今後の臨床・研究活動の一助となっていただけると幸いである。