[O-HT-02-4] 理学療法士のICU半日専従による心臓血管外科入院患者への効果
キーワード:ICU, 半日専従, 心臓血管外科術後
【はじめに,目的】集中治療室(Intensive care unit,以下;ICU)からの早期離床は日常生活動作を向上させることなどが示されており,ICUに理学療法士が専従する病院も増加傾向にある。一方で,患者数の変動による非効率化など課題もあるため,本院では従来の担当性に加えて理学療法士のICU半日専従を開始した。本研究では,ICU半日専従の効果を明らかにすることを目的とした。
【方法】理学療法士がICUに専従する前後6ヶ月にICUに在室した心臓血管外科患者のうち,手術未実施のものなどを除いた92名を対象とした。92名をICU専従開始前群(以下;前群,n=44)とICU専従開始後群(以下;後群,n=48)に分類し,基本項目として年齢,性別,術式,入室時・退室時Glasgow Coma Scale,Acute physiology and chronic health evaluationII(以下;APACHEII)を比較した。その他のICUでの指標として,離床進行度,理学療法介入率,在室日数を,入院経過の指標として,手術から歩行開始・50m歩行・200m歩行達成までの日数を,退院時の指標として6分間歩行距離,10m歩行速度,Timed up and go test,機能的自立度評価法,在院日数を比較した。統計処理はShapiro-Wilk検定にて正規性を確認し,t検定やMann-WhitneyのU検定,χ二乗検定を用いた。また,ICUで立位以上への離床進行との関連を明らかにするために,年齢,在室日数,理学療法介入率,APACHEIIを独立変数として用い,強制投入法で二項ロジスティック回帰分析を行った。解析はSPSS ver.23を使用し,有意水準は5%とした。
【結果】基本項目に2群で有意差はなかった。離床は後群がより進む傾向にあったが,有意差はみられなかった。有意差のあった項目は,10m歩行速度(前群;8.1秒,後群7.4秒,P=0.01),手術から歩行開始(前群;4.0日,後群;2.0日,P<0.01)・50m歩行達成(前群;5.5日,後群;4.0日,P=0.02)・200m歩行達成までの日数(前群;7.0日,後群;5.0日,P<0.01),6分間歩行距離(前群;275.6m,後群;360.0m,P=0.02),在院日数(前群;23.5日,後群;15.0日,P=0.03)であった。ICUでの離床に関連する因子は,理学療法介入があること(Odds ratio=6.2[95%CI 1.4-26.9],P=0.01)が挙げられた。
【結論】従来の担当性に加えてICU半日専従を行うことは身体機能の改善に寄与することが示唆された。ICUでの離床進行は理学療法介入に関連することも認められるため,ICUでの理学療法介入率を上げる取り組みの必要性が考えられた。
【方法】理学療法士がICUに専従する前後6ヶ月にICUに在室した心臓血管外科患者のうち,手術未実施のものなどを除いた92名を対象とした。92名をICU専従開始前群(以下;前群,n=44)とICU専従開始後群(以下;後群,n=48)に分類し,基本項目として年齢,性別,術式,入室時・退室時Glasgow Coma Scale,Acute physiology and chronic health evaluationII(以下;APACHEII)を比較した。その他のICUでの指標として,離床進行度,理学療法介入率,在室日数を,入院経過の指標として,手術から歩行開始・50m歩行・200m歩行達成までの日数を,退院時の指標として6分間歩行距離,10m歩行速度,Timed up and go test,機能的自立度評価法,在院日数を比較した。統計処理はShapiro-Wilk検定にて正規性を確認し,t検定やMann-WhitneyのU検定,χ二乗検定を用いた。また,ICUで立位以上への離床進行との関連を明らかにするために,年齢,在室日数,理学療法介入率,APACHEIIを独立変数として用い,強制投入法で二項ロジスティック回帰分析を行った。解析はSPSS ver.23を使用し,有意水準は5%とした。
【結果】基本項目に2群で有意差はなかった。離床は後群がより進む傾向にあったが,有意差はみられなかった。有意差のあった項目は,10m歩行速度(前群;8.1秒,後群7.4秒,P=0.01),手術から歩行開始(前群;4.0日,後群;2.0日,P<0.01)・50m歩行達成(前群;5.5日,後群;4.0日,P=0.02)・200m歩行達成までの日数(前群;7.0日,後群;5.0日,P<0.01),6分間歩行距離(前群;275.6m,後群;360.0m,P=0.02),在院日数(前群;23.5日,後群;15.0日,P=0.03)であった。ICUでの離床に関連する因子は,理学療法介入があること(Odds ratio=6.2[95%CI 1.4-26.9],P=0.01)が挙げられた。
【結論】従来の担当性に加えてICU半日専従を行うことは身体機能の改善に寄与することが示唆された。ICUでの離床進行は理学療法介入に関連することも認められるため,ICUでの理学療法介入率を上げる取り組みの必要性が考えられた。