[O-MT-05-3] 子供の2ステップ値における歩行年齢の検討
~千葉県理学療法士会公益事業局スポーツ健康増進支援部の取り組み~
Keywords:子供期に起きるロコモ, 2ステップ値, 歩行年齢
【はじめに,目的】
近年,ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の普及と共に,ロコモパンフレット2013年度版による2ステップ値における歩行年齢について注目されている。大人にとって実年齢に対する歩行年齢の高さは,結果が理解し易く,運動促進やロコモ予防の意欲向上に一役を担っている。しかし,小学校における運動器検診は,子供達には結果が理解し難く,子供期に起きるロコモの予防になっているかは議論の余地がある。千葉県理学療法士会スポーツ健康増進支援部では,高齢者の転倒予防事業とともに,子供の運動能力測定事業を行っている。千葉県の浦安市や佐倉市で行っている子供の運動能力測定会において,多くの子供の2ステップテストを実施しているが,子供の歩行年齢の予測値は算出されておらず,良い反応を得られていない。
そこで本研究の目的としては,2ステップテストにより子供達の歩行年齢を算出することで,子供期に起きるロコモの予防の一助となることが出来るかを検討することとした。
【方法】
対象は,2014年から2016年の3年間に,千葉県浦安市・佐倉市のイベントにおいて,2ステップテストを実施した4歳から13歳で,測定に同意の得られた者である。2ステップテストは,安全面を配慮し理学療法士の監視下で実施した。最大2歩幅を測定し,測定値を身長で除した値を2ステップ値とした。統計解析は,2ステップ値と年齢に対しpearsonの相関分析を行い,相関を有した年齢層で単回帰分析を実施し,回帰式を算出した。有意水準は5%未満とした。
【結果】
対象の基準を満たした者は482名(男性217名,女性265名)で,平均年齢は8.96歳(±2.54SD)であった。年齢毎の2ステップ値は,4歳:1.13±0.30,5歳:1.43±0.22,6歳:1.54±0.19,7歳:1.58±0.20,8歳:1.61±0.14,9歳:1.63±0.13,10歳:1.63±0.18,11歳:1.65±0.25,12歳:1.64±0.14,13歳:1.62±0.14であった。
4歳から8歳において正の相関(r=0.471)が得られ,単回帰分析より,2ステップ値=0.961+(0.086×年齢)の回帰式が算出された(R2=0.22,p<0.001)。8歳から13歳においては相関関係が認められなかった(r=0.027)。
【結論】
回帰式に年齢を代入する事により,4歳から8歳における2ステップ値の目安を算出出来る事が示唆された。また8歳から13歳では,30代前半の予測値と大差無い数値が得られた。子供の運動能力測定会において,子供達に歩行年齢を提示することで,子供期に起きるロコモ予防の一助となるのではないかと考える。
近年,ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の普及と共に,ロコモパンフレット2013年度版による2ステップ値における歩行年齢について注目されている。大人にとって実年齢に対する歩行年齢の高さは,結果が理解し易く,運動促進やロコモ予防の意欲向上に一役を担っている。しかし,小学校における運動器検診は,子供達には結果が理解し難く,子供期に起きるロコモの予防になっているかは議論の余地がある。千葉県理学療法士会スポーツ健康増進支援部では,高齢者の転倒予防事業とともに,子供の運動能力測定事業を行っている。千葉県の浦安市や佐倉市で行っている子供の運動能力測定会において,多くの子供の2ステップテストを実施しているが,子供の歩行年齢の予測値は算出されておらず,良い反応を得られていない。
そこで本研究の目的としては,2ステップテストにより子供達の歩行年齢を算出することで,子供期に起きるロコモの予防の一助となることが出来るかを検討することとした。
【方法】
対象は,2014年から2016年の3年間に,千葉県浦安市・佐倉市のイベントにおいて,2ステップテストを実施した4歳から13歳で,測定に同意の得られた者である。2ステップテストは,安全面を配慮し理学療法士の監視下で実施した。最大2歩幅を測定し,測定値を身長で除した値を2ステップ値とした。統計解析は,2ステップ値と年齢に対しpearsonの相関分析を行い,相関を有した年齢層で単回帰分析を実施し,回帰式を算出した。有意水準は5%未満とした。
【結果】
対象の基準を満たした者は482名(男性217名,女性265名)で,平均年齢は8.96歳(±2.54SD)であった。年齢毎の2ステップ値は,4歳:1.13±0.30,5歳:1.43±0.22,6歳:1.54±0.19,7歳:1.58±0.20,8歳:1.61±0.14,9歳:1.63±0.13,10歳:1.63±0.18,11歳:1.65±0.25,12歳:1.64±0.14,13歳:1.62±0.14であった。
4歳から8歳において正の相関(r=0.471)が得られ,単回帰分析より,2ステップ値=0.961+(0.086×年齢)の回帰式が算出された(R2=0.22,p<0.001)。8歳から13歳においては相関関係が認められなかった(r=0.027)。
【結論】
回帰式に年齢を代入する事により,4歳から8歳における2ステップ値の目安を算出出来る事が示唆された。また8歳から13歳では,30代前半の予測値と大差無い数値が得られた。子供の運動能力測定会において,子供達に歩行年齢を提示することで,子供期に起きるロコモ予防の一助となるのではないかと考える。