[O-MT-12-6] 健常者の円背モデルにおける体幹(呼気)運動課題が腹部筋厚に及ぼす影響
Keywords:円背, 腹部引き込み運動, 腹部突き出し運動
【はじめに,目的】
加齢による姿勢変化で最も多いのは円背姿勢であり,円背の強い患者では,腹部の動きが小さく,胸部優位の呼吸パターンとなると報告されている。先行研究では,円背高齢者の呼吸パターンの検討などの研究はあるが,円背高齢者の体幹への運動療法について検討されているものは数少ない。そこで,本研究では,Draw-in(DE):腹部引き込み運動とBracing(BE):腹部突き出し運動が健常者の円背モデルの体幹筋の動態に与える影響を検討し,円背患者の運動療法への一助とする。
【方法】
対象は,研究参加に同意を得た既往に脊柱疾患のない健常成人男性25名(平均年齢22.8±2.7歳,身長173.8±5.6cm,体重65.8±13.3kg,BMI21.8±4.2kg/m2)とした。測定機器は,超音波と胸郭可動域測定装置を用いた。条件は無作為で,ウェッジを用いた円背モデル45°と背臥位0°を設定し,安静呼気(RE),最大呼気(ME),DE,BEの計8条件で,体幹筋厚(腹直筋:R,内腹斜筋:IO,外腹斜筋:EO,腹横筋:A)筋厚,腹部周径を測定した。DEとBEの定義を,REよりも腹囲周径が減少した場合をDE,増加した場合をBEとした。それぞれの条件の比較には,二元配置分散分析反復測定法を用いた後,多重比較検定(Bonferroni法)を実施した。
【結果】
①DEは0°と45°条件の全ての筋において,他の体幹運動条件よりも筋厚が増加した。②0°と45°の条件を比較すると,RとIOの45°条件が有意差に大きくなり,RとIOの45°条件では,DEは他の体幹運動条件よりも有意に筋厚の増加があった。
【結論】
①DEは0°と45°条件の全ての筋で,他の体幹運動課題よりも筋厚が増加していることから,背臥位0°と円背モデルにおいても腹部の筋力強化のアプローチとしては有用であると考えられる。②RとIOの筋厚変化は45°条件かつDEで最大の値を示したため,円背モデルでは,RとIOの筋力強化としては,DEが有用であると考えられる。
本研究の円背モデルは脊柱可動性が保たれている。円背高齢者は,長期間の姿勢不良で姿勢変化が起き,それに伴い,胸郭可動性の低下,筋の走行や長さも変化し,筋力低下が考えられる。今後の課題は,実際の円背高齢者を対象に体幹筋筋厚の観察が必要である。
加齢による姿勢変化で最も多いのは円背姿勢であり,円背の強い患者では,腹部の動きが小さく,胸部優位の呼吸パターンとなると報告されている。先行研究では,円背高齢者の呼吸パターンの検討などの研究はあるが,円背高齢者の体幹への運動療法について検討されているものは数少ない。そこで,本研究では,Draw-in(DE):腹部引き込み運動とBracing(BE):腹部突き出し運動が健常者の円背モデルの体幹筋の動態に与える影響を検討し,円背患者の運動療法への一助とする。
【方法】
対象は,研究参加に同意を得た既往に脊柱疾患のない健常成人男性25名(平均年齢22.8±2.7歳,身長173.8±5.6cm,体重65.8±13.3kg,BMI21.8±4.2kg/m2)とした。測定機器は,超音波と胸郭可動域測定装置を用いた。条件は無作為で,ウェッジを用いた円背モデル45°と背臥位0°を設定し,安静呼気(RE),最大呼気(ME),DE,BEの計8条件で,体幹筋厚(腹直筋:R,内腹斜筋:IO,外腹斜筋:EO,腹横筋:A)筋厚,腹部周径を測定した。DEとBEの定義を,REよりも腹囲周径が減少した場合をDE,増加した場合をBEとした。それぞれの条件の比較には,二元配置分散分析反復測定法を用いた後,多重比較検定(Bonferroni法)を実施した。
【結果】
①DEは0°と45°条件の全ての筋において,他の体幹運動条件よりも筋厚が増加した。②0°と45°の条件を比較すると,RとIOの45°条件が有意差に大きくなり,RとIOの45°条件では,DEは他の体幹運動条件よりも有意に筋厚の増加があった。
【結論】
①DEは0°と45°条件の全ての筋で,他の体幹運動課題よりも筋厚が増加していることから,背臥位0°と円背モデルにおいても腹部の筋力強化のアプローチとしては有用であると考えられる。②RとIOの筋厚変化は45°条件かつDEで最大の値を示したため,円背モデルでは,RとIOの筋力強化としては,DEが有用であると考えられる。
本研究の円背モデルは脊柱可動性が保たれている。円背高齢者は,長期間の姿勢不良で姿勢変化が起き,それに伴い,胸郭可動性の低下,筋の走行や長さも変化し,筋力低下が考えられる。今後の課題は,実際の円背高齢者を対象に体幹筋筋厚の観察が必要である。