[O-RS-04-4] 慢性閉塞性肺疾患患者における身体組成と臨床パラメーターおよび疾患重症度の関係
Keywords:COPD, 体格指数, 除脂肪体重指数
【目的】COPD患者における栄養指標は主に体格指数(BMI)が用いられ,臨床パラメーターとの関連が報告されてきたが,近年では除脂肪体重指数(FFMI)の方が良い反応を示すとの報告もある。そこで今回,クリニックで外来呼吸リハビリテーションを開始したCOPD患者を対象に,BMIおよびFFMIと臨床パラメーター,COPD重症度との関連について調査検討した。
【方法】通院中の安定したCOPD患者の中から,体組成計測に影響をおよぼす心や腎不全の合併症のない87例を対象とした。内訳は,男性83例,女性4例,平均年齢70.4±6.6歳,BMI22.9±2.8,FFMI17.6±1.8,%VC96.3±18,%FEV171.5±23,m-MRCI/II/III:53/31/3,COPD assessment test(CAT)6.3±3.8,Step5501±2609歩,GOLD重症度分類I/II/III/IV:36/29/16/6。
評価項目は生体インピーダンス分析法(TANITA社製体組成計RD-501)を用い,得られた値からBMIおよびFFMIを算出した。臨床パラメーターは%FEV1,m-MRC,CAT,Stepとした。StepはライフコーダEx(スズケン社製)を用いて測定した。これらのデーターはカルテより後方視的に調査を行った。
検討内容および解析は1.BMIおよびFFMIと臨床パラメーターの関係をピアソンの相関係数およびスピアマン順位相関係数検定を用いて検討した。2.BMIおよびFFMIとCOPD重症度との関係は,重症度間の対象者数の偏りを考慮し,I,II,IIIおよびIVの3群に分けて一元配置分散分析および多重比較検定を用いて検討した。検定における統計学的有意差はP<0.05とした。
【結果】FFMIは%FEV1(r=0.48,p<0.001),m-MRC(r=-0.18,p<0.001),CAT(r=-0.26,p<0.014),Step(r=0.31,p<0.007)とすべてのパラメーターと関連を認めた。BMIはすべてのパラメーターとの間に関連を認めなかった。COPD重症度に関しては,FFMIはIとIIの間に有意差を認めなかったが,IとIII・IV,IIとIII・IVとの間に有意差を認めた。BMIはすべての群間において有意差を認めなかった。
【結論】今回の結果より,FFMIはBMIと比較して,臨床パラメーターや疾患重症度の特徴をより正確にスクリーニングできることが明確となった。これは,FFMIがより良く筋量を反映すると考えられること,重症度が進行すれば活動性も低下し,筋量に影響をおよぼすためそれを反映している可能性が考えられた。研究限界としては,臨床パラメーターが活動性に関係する項目が選択されていること,対象が男性に偏っていることであり,これらが結果に影響を与えた可能性がある。これに関しては今後幅広く症例数を増やすと共に,他の臨床パラメーターに関しても検討する必要があると考えている。
【方法】通院中の安定したCOPD患者の中から,体組成計測に影響をおよぼす心や腎不全の合併症のない87例を対象とした。内訳は,男性83例,女性4例,平均年齢70.4±6.6歳,BMI22.9±2.8,FFMI17.6±1.8,%VC96.3±18,%FEV171.5±23,m-MRCI/II/III:53/31/3,COPD assessment test(CAT)6.3±3.8,Step5501±2609歩,GOLD重症度分類I/II/III/IV:36/29/16/6。
評価項目は生体インピーダンス分析法(TANITA社製体組成計RD-501)を用い,得られた値からBMIおよびFFMIを算出した。臨床パラメーターは%FEV1,m-MRC,CAT,Stepとした。StepはライフコーダEx(スズケン社製)を用いて測定した。これらのデーターはカルテより後方視的に調査を行った。
検討内容および解析は1.BMIおよびFFMIと臨床パラメーターの関係をピアソンの相関係数およびスピアマン順位相関係数検定を用いて検討した。2.BMIおよびFFMIとCOPD重症度との関係は,重症度間の対象者数の偏りを考慮し,I,II,IIIおよびIVの3群に分けて一元配置分散分析および多重比較検定を用いて検討した。検定における統計学的有意差はP<0.05とした。
【結果】FFMIは%FEV1(r=0.48,p<0.001),m-MRC(r=-0.18,p<0.001),CAT(r=-0.26,p<0.014),Step(r=0.31,p<0.007)とすべてのパラメーターと関連を認めた。BMIはすべてのパラメーターとの間に関連を認めなかった。COPD重症度に関しては,FFMIはIとIIの間に有意差を認めなかったが,IとIII・IV,IIとIII・IVとの間に有意差を認めた。BMIはすべての群間において有意差を認めなかった。
【結論】今回の結果より,FFMIはBMIと比較して,臨床パラメーターや疾患重症度の特徴をより正確にスクリーニングできることが明確となった。これは,FFMIがより良く筋量を反映すると考えられること,重症度が進行すれば活動性も低下し,筋量に影響をおよぼすためそれを反映している可能性が考えられた。研究限界としては,臨床パラメーターが活動性に関係する項目が選択されていること,対象が男性に偏っていることであり,これらが結果に影響を与えた可能性がある。これに関しては今後幅広く症例数を増やすと共に,他の臨床パラメーターに関しても検討する必要があると考えている。