[O-TK-07-1] 透析専門病院における理学療法業務と転帰先の調査
透析患者の地域包括ケア構築に向けて
Keywords:透析, 地域包括ケア, 理学療法
【はじめに,目的】
最近では腎臓リハビリが普及し透析患者が理学療法を実施する機会も以前より増加している。しかし,現在の診療報酬では慢性腎不全のみでのリハビリテーション料は算定できず,一般病棟では透析患者は合併症や他の診断のもとリハビリを実施する必要がる。そのため,現状では透析患者が積極的に理学療法を実施できないことが多い。しかし,今後は透析患者数の増加や高齢化の進展が予想され,透析患者に対する理学療法の充実が必要である。当院は一般病棟52床の腎疾患専門病院であり,入院患者の9割が血液透析患者といった透析専門病院の特徴を持ち,理学療法士が常勤で勤務している。そこで,本研究では透析患者に対する理学療法の基礎的調査として当院の理学療法業務と転記先等の調査を行ったので報告する。
【方法】
対象は当院で理学療法を実施した入院患者3065名(延べ人数:調査期間H27年8月~H28年7月),男性112名,女性68名,平均年齢77(歳)±9.1であった。調査項目は理学療法士の業務としてI.理学療法の実施件数,II.理学療法実施の対象となった疾患,III.転記先の調査,在宅復帰率の調査を行った。
【結果】
I.理学療法の実施件数の結果では年間合計3599単位の実施であり,月平均では299.9単位の実施であった。II.理学療法実施の対象となった疾患の結果では整形外科疾患59名,呼吸器疾患55名,バスキュラーアクセス関連55名,透析導入11名,心疾患11名,消化器疾患3名,その他193名であった。III.転記先の結果では自宅が91名,施設26名,転院44名,死亡21名であり,在宅復帰率は年間平均50.6%であった。
【結論】
透析患者の特徴として合併症では整形疾患や呼吸器疾患,心疾患の合併が多い特徴がある。また,シャントトラブル等などのバスキュラーアクセス関連によるADLの低下からの理学療法を実施する件数が多いのが透析患者の特性といえる。そのため,理学療法士の役割は透析患者に対して整形疾患,呼吸器疾患,心疾患についての知識を持ち,効果的な運動強度の設定やリスク管理についての専門職としての役割が必要とされる。また,転帰先では自宅が最も多く,地域包括ケアの構築のため多職種で連携して透析患者の在宅生活継続に対応する必要がある。特に透析患者は週3回程度の通院を継続するため,介護保険サービスの検討が特に重要であり,病院の理学療法士も地域との連携を取ることが今後さらに重要と考える。
最近では腎臓リハビリが普及し透析患者が理学療法を実施する機会も以前より増加している。しかし,現在の診療報酬では慢性腎不全のみでのリハビリテーション料は算定できず,一般病棟では透析患者は合併症や他の診断のもとリハビリを実施する必要がる。そのため,現状では透析患者が積極的に理学療法を実施できないことが多い。しかし,今後は透析患者数の増加や高齢化の進展が予想され,透析患者に対する理学療法の充実が必要である。当院は一般病棟52床の腎疾患専門病院であり,入院患者の9割が血液透析患者といった透析専門病院の特徴を持ち,理学療法士が常勤で勤務している。そこで,本研究では透析患者に対する理学療法の基礎的調査として当院の理学療法業務と転記先等の調査を行ったので報告する。
【方法】
対象は当院で理学療法を実施した入院患者3065名(延べ人数:調査期間H27年8月~H28年7月),男性112名,女性68名,平均年齢77(歳)±9.1であった。調査項目は理学療法士の業務としてI.理学療法の実施件数,II.理学療法実施の対象となった疾患,III.転記先の調査,在宅復帰率の調査を行った。
【結果】
I.理学療法の実施件数の結果では年間合計3599単位の実施であり,月平均では299.9単位の実施であった。II.理学療法実施の対象となった疾患の結果では整形外科疾患59名,呼吸器疾患55名,バスキュラーアクセス関連55名,透析導入11名,心疾患11名,消化器疾患3名,その他193名であった。III.転記先の結果では自宅が91名,施設26名,転院44名,死亡21名であり,在宅復帰率は年間平均50.6%であった。
【結論】
透析患者の特徴として合併症では整形疾患や呼吸器疾患,心疾患の合併が多い特徴がある。また,シャントトラブル等などのバスキュラーアクセス関連によるADLの低下からの理学療法を実施する件数が多いのが透析患者の特性といえる。そのため,理学療法士の役割は透析患者に対して整形疾患,呼吸器疾患,心疾患についての知識を持ち,効果的な運動強度の設定やリスク管理についての専門職としての役割が必要とされる。また,転帰先では自宅が最も多く,地域包括ケアの構築のため多職種で連携して透析患者の在宅生活継続に対応する必要がある。特に透析患者は週3回程度の通院を継続するため,介護保険サービスの検討が特に重要であり,病院の理学療法士も地域との連携を取ることが今後さらに重要と考える。