[O-YB-01-1] ロコモティブシンドローム早期発見ツールとしてのロコモ度テストの実用性検討
―ロコモ5との比較,転倒予防評価項目を踏まえて―
Keywords:ロコモティブシンドローム, ロコモ度テスト, 転倒予防
【はじめに】近年,地域在住高齢者を対象とした専門職による介護予防教室が各地で展開されている。中でも,要介護リスクの一つとして考えられている「ロコモティブシンドローム」(以下,ロコモ)に対する予防教室は,多くの医療・福祉機関が取り組んでいる。ロコモ早期発見ツールとしては,従来アンケート式のロコモ5が実施されてきたが,近年ロコモ度テストの普及が増えつつある。しかし,ロコモ度テストの実用報告,及び実用性の検討の報告は少ないのが現状である。
【目的】ロコモ早期発見ツールとしてのロコモ度テストの実用性ついて,ロコモ5との比較,及び転倒予防評価項目を踏まえて検討することである。
【対象】対象は,浦安市介護予防推進協働事業の介護予防運動教室に参加している浦安市民中高齢者の中から34名をランダムにて抽出した。(男性5名女性29名,平均年齢73.2±7.5歳,平均身長155.5±6.9cm,平均体重52.4±8.9kg)34名のうち,ロコモ度テストにてロコモ度1,ロコモ度2に該当する者を「ロコモ度陽性群」(男性4名女性24名の計28名),同対象者においてロコモ5を実施し6点以上の者を「ロコモ5陽性群」(男性1名女性3名の計4名)とした。
【方法】ロコモ度テストは,「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」を実施した。ロコモ度陽性群,ロコモ5陽性群の該当者数をそれぞれ算出した。身体機能評価として,Functional Reach Test(以下,FRT),Time Up and Go Test(以下,TUG),前方10m歩行速度,後方10m歩行速度,後方2ステップ値,横歩き速度を計測した。身体機能項目をロコモ度陽性群と陰性群,ロコモ5陽性群と陰性群の二群で比較・検討した。尚,立ち上がりテストに関しては,点数化し統計を行った。統計は,身体機能項目についてMann-Whitney's U testを用い行った。有意水準は5%とした。
【結果】ロコモ5で算出したロコモ該当率は全体の12%であり,ロコモ度テストで算出したロコモ該当率は全体の84%であった。身体評価項目に関しては,著明な差は認められなかった。また,TUG,前方10m歩行速度の項目においては,ロコモ度陽性群,ロコモ5陽性群共に転倒のカットオフ値を下回り,FRTでは上回る結果となった。
【考察】本研究では,ロコモ度テストの方がロコモ5よりもロコモ該当者数が多く,転倒に関しては,ロコモか否かに関わらず転倒の可能性は低い結果となった。以上の事から,ロコモ度テストは,転倒予防に使われるバランス評価項目で問題がない者もロコモと判断されることが示された。ロコモ度テストは,要介護に近い対象者だけではなく,高齢者より若い世代に対してロコモに気づき対策をとることを目的としている。以上の事から,より多くの中高齢者からロコモ該当者を見つけ出しフォローアップを行っていくためにも,転倒予防評価やロコモ5だけで無くロコモ度テスト実施の必要性は高いと考える。
【目的】ロコモ早期発見ツールとしてのロコモ度テストの実用性ついて,ロコモ5との比較,及び転倒予防評価項目を踏まえて検討することである。
【対象】対象は,浦安市介護予防推進協働事業の介護予防運動教室に参加している浦安市民中高齢者の中から34名をランダムにて抽出した。(男性5名女性29名,平均年齢73.2±7.5歳,平均身長155.5±6.9cm,平均体重52.4±8.9kg)34名のうち,ロコモ度テストにてロコモ度1,ロコモ度2に該当する者を「ロコモ度陽性群」(男性4名女性24名の計28名),同対象者においてロコモ5を実施し6点以上の者を「ロコモ5陽性群」(男性1名女性3名の計4名)とした。
【方法】ロコモ度テストは,「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」を実施した。ロコモ度陽性群,ロコモ5陽性群の該当者数をそれぞれ算出した。身体機能評価として,Functional Reach Test(以下,FRT),Time Up and Go Test(以下,TUG),前方10m歩行速度,後方10m歩行速度,後方2ステップ値,横歩き速度を計測した。身体機能項目をロコモ度陽性群と陰性群,ロコモ5陽性群と陰性群の二群で比較・検討した。尚,立ち上がりテストに関しては,点数化し統計を行った。統計は,身体機能項目についてMann-Whitney's U testを用い行った。有意水準は5%とした。
【結果】ロコモ5で算出したロコモ該当率は全体の12%であり,ロコモ度テストで算出したロコモ該当率は全体の84%であった。身体評価項目に関しては,著明な差は認められなかった。また,TUG,前方10m歩行速度の項目においては,ロコモ度陽性群,ロコモ5陽性群共に転倒のカットオフ値を下回り,FRTでは上回る結果となった。
【考察】本研究では,ロコモ度テストの方がロコモ5よりもロコモ該当者数が多く,転倒に関しては,ロコモか否かに関わらず転倒の可能性は低い結果となった。以上の事から,ロコモ度テストは,転倒予防に使われるバランス評価項目で問題がない者もロコモと判断されることが示された。ロコモ度テストは,要介護に近い対象者だけではなく,高齢者より若い世代に対してロコモに気づき対策をとることを目的としている。以上の事から,より多くの中高齢者からロコモ該当者を見つけ出しフォローアップを行っていくためにも,転倒予防評価やロコモ5だけで無くロコモ度テスト実施の必要性は高いと考える。