[P-ED-01-4] レポート指導におけるルーブリック指導と個別指導の指導する順序の違いによる学習効果
キーワード:ルーブリック, レポート, 個別指導
【はじめに,目的】実験課題のレポート採点は個別指導の要素が大きく,細かな内容の指導は可能だが,各評価の客観性に欠け,評価にばらつきが出ることがある。客観的な評価を行うためにルーブリックが用いられている。ルーブリックとは,学習到達レベルの目安を数段階に示したマトリックスで表し,評価表を事前に学生に示すことで学生の自主学習を促すことや評価者の評価時間の短縮が可能などの特徴がある。しかし,ルーブリックのみの指導では個別指導の要素が欠けるため,両方の指導を織り交ぜることが重要と思われる。そこで,本研究ではルーブリック指導と個別指導の指導する順序の違いにより学習効果に差があるのかを検討することを目的とした。
【方法】対象は平成27年度後期授業科目の運動療法実習を履修した本学に在籍する理学療法学科2年生77名とした。今回,前半課題と後半課題の2つのレポート提出を課した。対象を前半課題時にルーブリックに基づいたレポート指導を行い,後半課題時にレポートの構成や書き方など個別指導を行った群(先行群)と前半課題時に個別指導を行い,後半課題時にルーブリックでの指導を行った群(後行群)にランダムに分けた。なお,2つの課題レポートの採点にはルーブリックを用いた。ルーブリックは指導教員4名で評価項目を吟味し,作成した。ルーブリックはレポートの構成に対応させ,「はじめに」「方法」「結果」「考察」「まとめ」「体裁」の大項目6つとし,各大項目に小項目を設け,合計10の小項目による構成とした。各小項目の採点は1~5点,1~10点とし,60点満点とした。評価者間の評価精度を確かめるために,本研究の対象とは別の年度に実施した当該科目の8つのレポートを4名の教員が採点し,検者間信頼性として級内相関係数(2,1)を算出した。2群のルーブリックの採点をルーブリックの合計点と小項目ごとに反復測定二元配置分散分析,および単純主効果の検定にて検討した。統計処理にはIBM SPSS Statistic Ver. 19を使用し有意水準を5%とした。
【結果】級内相関係数(2,1)は,各項目ともに0.86~0.93だった。全ての小項目で各群の採点に主効果を認めた。「語尾」,「文献に関する記述」,「図表」の小項目で交互作用が確認された。「語尾」は前半課題で有意に先行群が低かったが,後半課題では先行群が有意に高くなった。「先行研究の整理・目的設定」,「対象」,「文献に関する記述」,「図表」,「合計点」は前半課題で有意に先行群が低かったが,後半課題では差がなくなった。
【結論】先行群は多くの項目で前半課題の採点が低く,後半課題の採点では差がなくなっていたことから,個別指導の要素は重要と考えられる。ルーブリックは客観的な指標で検者間信頼性のある評価として有用であるが,本学の学生に対してはルーブリックを用いた画一的な指導だけではなく,個別指導の必要性が示唆された。
【方法】対象は平成27年度後期授業科目の運動療法実習を履修した本学に在籍する理学療法学科2年生77名とした。今回,前半課題と後半課題の2つのレポート提出を課した。対象を前半課題時にルーブリックに基づいたレポート指導を行い,後半課題時にレポートの構成や書き方など個別指導を行った群(先行群)と前半課題時に個別指導を行い,後半課題時にルーブリックでの指導を行った群(後行群)にランダムに分けた。なお,2つの課題レポートの採点にはルーブリックを用いた。ルーブリックは指導教員4名で評価項目を吟味し,作成した。ルーブリックはレポートの構成に対応させ,「はじめに」「方法」「結果」「考察」「まとめ」「体裁」の大項目6つとし,各大項目に小項目を設け,合計10の小項目による構成とした。各小項目の採点は1~5点,1~10点とし,60点満点とした。評価者間の評価精度を確かめるために,本研究の対象とは別の年度に実施した当該科目の8つのレポートを4名の教員が採点し,検者間信頼性として級内相関係数(2,1)を算出した。2群のルーブリックの採点をルーブリックの合計点と小項目ごとに反復測定二元配置分散分析,および単純主効果の検定にて検討した。統計処理にはIBM SPSS Statistic Ver. 19を使用し有意水準を5%とした。
【結果】級内相関係数(2,1)は,各項目ともに0.86~0.93だった。全ての小項目で各群の採点に主効果を認めた。「語尾」,「文献に関する記述」,「図表」の小項目で交互作用が確認された。「語尾」は前半課題で有意に先行群が低かったが,後半課題では先行群が有意に高くなった。「先行研究の整理・目的設定」,「対象」,「文献に関する記述」,「図表」,「合計点」は前半課題で有意に先行群が低かったが,後半課題では差がなくなった。
【結論】先行群は多くの項目で前半課題の採点が低く,後半課題の採点では差がなくなっていたことから,個別指導の要素は重要と考えられる。ルーブリックは客観的な指標で検者間信頼性のある評価として有用であるが,本学の学生に対してはルーブリックを用いた画一的な指導だけではなく,個別指導の必要性が示唆された。