[P-ED-11-5] 【研究寺子屋】若手療法士を対象とした研究支援活動の試み
Keywords:タスク管理, マインドマップ, evernote
【はじめに,目的】
日々の臨床的疑問を解決するには,常に先行研究の動向を参照し臨床を展開する必要がある。論文の読み込みや研究活動を協会や職場から推奨されるも,その活動自体には偏りがある。最大の障壁は「時間が足りない」ということである。日々の業務に追われ研究活動を行う時間が取れないと嘆く療法士も多く,筆者もその1人である。若手療法士の研究活動への障壁は「時間が足りない」だけではなく,「研究テーマが見つけられない」「研究のテーマを広げられない」「論文読み込めない・管理できない」「発表が怖い」の5つが挙げられる。そこで,第22回宮崎県理学療法学会の参加希望者への研究活動支援を行うことを目的に「研究寺子屋」を立ち上げた。研究寺子屋は研究法そのものを扱うのではなく,研究活動への障壁を取り除くための準備や心構えを参加者の実践を交えて行う活動である。本稿では研究支援活動とその後の展開を報告する。
【方法】
対象は宮崎県都城市郡ブロックの理学療法士とし,作業療法士,言語聴覚士の参加希望者も受け入れた(年齢25.4±3.5歳,臨床経験3.6±2.9歳)。講師は筆頭演者(年齢36歳,臨床経験14年,平成27年度博士号取得)が担当した。研究活動への5つの障壁に対して,第一講座「仕事と私事のタスク管理」,第二講座「インターネットを駆使した効率の良い調べ方・論文データを管理・検索が容易にできるevernoteを使いこなそう」,第三講座「マインドマップを用いた発想法で研究テーマを広げましょう」,第四講座「ギリギリ受かる抄録の書き方」,第五講座「かっこいいスライド,ポスターの作り方」,第六講座「伝わるプレゼンテーションのコツ」,第七講座「プレゼンテーション大会」を実施した。第七講座終了後,受講者に受講後のアンケートを実施した。
【結果】
参加人数は延べ157名であった。研究寺子屋の受講者から多数の研究テーマが生まれ,8演題のエントリーにつながり,内1演題は上記学会にてフレッシュマン賞を受賞した。回答のあった32名のアンケートでは『日々の業務が捗るようになった」『論文の管理ができるようになった』『考えをまとめるコツが分かった』等,前向きなコメントが多く有った。その後,活動の範囲を広げ平成28年1月宮崎県日向市,平成28年7月・10月に宮崎県日南市にて研究寺子屋を開催し延べ人数は42名であった。
【結論】
臨床経験の浅い若手療法士においては日々の業務に追われ,研究活動・自己研鑚への時間を生み出す事も困難である。研究寺子屋では仕事と私事のタスク管理から,自身の時間を生み出し,その時間から研究活動がスタートする事を伝え実践した。受講生からテーマ,エントリーが生まれたことは日々の業務レベルが向上した事の裏付けであり,今後の研究レベル,臨床レベルの向上に繋がるものである。
日々の臨床的疑問を解決するには,常に先行研究の動向を参照し臨床を展開する必要がある。論文の読み込みや研究活動を協会や職場から推奨されるも,その活動自体には偏りがある。最大の障壁は「時間が足りない」ということである。日々の業務に追われ研究活動を行う時間が取れないと嘆く療法士も多く,筆者もその1人である。若手療法士の研究活動への障壁は「時間が足りない」だけではなく,「研究テーマが見つけられない」「研究のテーマを広げられない」「論文読み込めない・管理できない」「発表が怖い」の5つが挙げられる。そこで,第22回宮崎県理学療法学会の参加希望者への研究活動支援を行うことを目的に「研究寺子屋」を立ち上げた。研究寺子屋は研究法そのものを扱うのではなく,研究活動への障壁を取り除くための準備や心構えを参加者の実践を交えて行う活動である。本稿では研究支援活動とその後の展開を報告する。
【方法】
対象は宮崎県都城市郡ブロックの理学療法士とし,作業療法士,言語聴覚士の参加希望者も受け入れた(年齢25.4±3.5歳,臨床経験3.6±2.9歳)。講師は筆頭演者(年齢36歳,臨床経験14年,平成27年度博士号取得)が担当した。研究活動への5つの障壁に対して,第一講座「仕事と私事のタスク管理」,第二講座「インターネットを駆使した効率の良い調べ方・論文データを管理・検索が容易にできるevernoteを使いこなそう」,第三講座「マインドマップを用いた発想法で研究テーマを広げましょう」,第四講座「ギリギリ受かる抄録の書き方」,第五講座「かっこいいスライド,ポスターの作り方」,第六講座「伝わるプレゼンテーションのコツ」,第七講座「プレゼンテーション大会」を実施した。第七講座終了後,受講者に受講後のアンケートを実施した。
【結果】
参加人数は延べ157名であった。研究寺子屋の受講者から多数の研究テーマが生まれ,8演題のエントリーにつながり,内1演題は上記学会にてフレッシュマン賞を受賞した。回答のあった32名のアンケートでは『日々の業務が捗るようになった」『論文の管理ができるようになった』『考えをまとめるコツが分かった』等,前向きなコメントが多く有った。その後,活動の範囲を広げ平成28年1月宮崎県日向市,平成28年7月・10月に宮崎県日南市にて研究寺子屋を開催し延べ人数は42名であった。
【結論】
臨床経験の浅い若手療法士においては日々の業務に追われ,研究活動・自己研鑚への時間を生み出す事も困難である。研究寺子屋では仕事と私事のタスク管理から,自身の時間を生み出し,その時間から研究活動がスタートする事を伝え実践した。受講生からテーマ,エントリーが生まれたことは日々の業務レベルが向上した事の裏付けであり,今後の研究レベル,臨床レベルの向上に繋がるものである。