[P-ED-17-1] 当院における回復期リハビリテーション病棟のアウトカム評価について
キーワード:回復期リハビリテーション病棟, アウトカム評価, FIM
【はじめに,目的】
平成28年度診療報酬改定より,質の高いリハビリテーション(リハビリ)を評価し,患者の早期機能回復を促進するために,回復期リハビリ病棟においてアウトカム評価が導入された。Functional independence measure(FIM)運動項目の退棟時と入棟時の差(運動FIM利得)と在棟日数/回復期算定上限日数で構成される計算式であり,医療機関の判断で各月の入棟患者数の3割以下の範囲で除外する患者を診療報酬請求までの間に選択することも必要とされる。当院は100/399床の回復期リハビリ病棟を有し,重度の疾患も多く,平均年齢は81.7歳と平成27年度回復期リハビリ病棟全国平均の73.6歳よりもはるかに高い年齢層を抱えた病院である。そこで今回我々は,当院回復期リハビリ病棟におけるアウトカム評価を分析し,傾向や今後の課題について検討した。
【方法】
対象は平成28年4月1日から9月30日までの間に,当院回復期リハビリ病棟を退院した258名のうち,死亡4名,状態悪化のため一般病棟や急性期病院へ転棟・転院となった11名を除外した243名である。解析は対象を27以上群(実績指数27以上となった症例144名),27未満群(実績指数27未満となった99名)に分け,それぞれの群中で,実績指数と運動FIM利得,実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数に対し相関関係を検討するためスピアマン順位相関係数検定を実施した。有意水準は5%未満とし,解析ソフトはStatcel4を使用した。
【結果】
実績指数と運動FIM利得は27以上群(P<0.01,r=0.301),27未満群(P<0.01,r=0.842)と有意な相関を認めた。実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数では27以上群,27未満群ともに有意差を認めなかった。
【結論】
実績指数と運動FIM利得には正の相関があり,実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数には相関を認めなかった。このことから,アウトカム評価の実績指数向上には運動FIM利得が有意に関係し,我々の主な役割である日常生活能力向上が求められることを再認識させられる形となった。また,各月の3割以下の範囲で除外する患者を選出する中では,在棟日数が多くなると予想される患者よりも運動FIM利得が低くなると予想される患者を選択する方が実績指数低下を予防できるのではないかと考えられる。
平成28年度診療報酬改定より,質の高いリハビリテーション(リハビリ)を評価し,患者の早期機能回復を促進するために,回復期リハビリ病棟においてアウトカム評価が導入された。Functional independence measure(FIM)運動項目の退棟時と入棟時の差(運動FIM利得)と在棟日数/回復期算定上限日数で構成される計算式であり,医療機関の判断で各月の入棟患者数の3割以下の範囲で除外する患者を診療報酬請求までの間に選択することも必要とされる。当院は100/399床の回復期リハビリ病棟を有し,重度の疾患も多く,平均年齢は81.7歳と平成27年度回復期リハビリ病棟全国平均の73.6歳よりもはるかに高い年齢層を抱えた病院である。そこで今回我々は,当院回復期リハビリ病棟におけるアウトカム評価を分析し,傾向や今後の課題について検討した。
【方法】
対象は平成28年4月1日から9月30日までの間に,当院回復期リハビリ病棟を退院した258名のうち,死亡4名,状態悪化のため一般病棟や急性期病院へ転棟・転院となった11名を除外した243名である。解析は対象を27以上群(実績指数27以上となった症例144名),27未満群(実績指数27未満となった99名)に分け,それぞれの群中で,実績指数と運動FIM利得,実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数に対し相関関係を検討するためスピアマン順位相関係数検定を実施した。有意水準は5%未満とし,解析ソフトはStatcel4を使用した。
【結果】
実績指数と運動FIM利得は27以上群(P<0.01,r=0.301),27未満群(P<0.01,r=0.842)と有意な相関を認めた。実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数では27以上群,27未満群ともに有意差を認めなかった。
【結論】
実績指数と運動FIM利得には正の相関があり,実績指数と在棟日数/回復期算定上限日数には相関を認めなかった。このことから,アウトカム評価の実績指数向上には運動FIM利得が有意に関係し,我々の主な役割である日常生活能力向上が求められることを再認識させられる形となった。また,各月の3割以下の範囲で除外する患者を選出する中では,在棟日数が多くなると予想される患者よりも運動FIM利得が低くなると予想される患者を選択する方が実績指数低下を予防できるのではないかと考えられる。