The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本理学療法教育学会 » ポスター発表

[P-ED-17] ポスター(教育)P17

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本理学療法教育学会

[P-ED-17-4] カンファレンスの入力率改善への応用行動分析学的介入

松井 剛1, 加藤 宗規2 (1.医療法人社団千葉秀心会東船橋病院, 2.了德寺大学健康科学部理学療法学科)

Keywords:カンファレンス, 入力率, 応用行動分析学

【目的】カンファレンスの資料ファイルに入浴練習日,体重測定日,Functional Independence Measure(以下,FIM)の事前入力率を改善するための応用行動分析学を用いた介入効果を検討することを目的とした。


【方法】対象は当院リハ科に2016年度1年間在籍したスタッフ24名(理学療法士12名,作業療法士6名,言語聴覚士5名)とした。性別は男性12名,女性12名,平均年齢27.0±6.6歳,平均経験年数2.9±2.8年であった。週1回開催されるカンファレンスにあたり,カンファレンス前日の昼までに担当患者の入浴練習日,体重測定日,FIMをUSBメモリに表計算ソフトexcelで作成した表に入力することが約束されていた。介入は口頭指示で注意した時期(2週)をベースライン期,言語・文字教示した時期(2週)を介入1,言語・文字教示に加え個別フィードバックをした時期(5週)を介入2,言語・文字教示,個別フィードバックに加え入力欄・選択肢を作成した時期(2週)を介入3,およびすべての手がかりをなくした時期(2週)をフォローアップ期として,入力率(未入力患者数/現在の実施患者数×100%)を3項目について算出した。介入効果の検討には入力率をカイ二乗検定で比較した。また,経験年数と未入力回数の関連について,Pearsonの相関係数で検討した。


【結果】各期間における平均入力率は入浴練習日,体重測定日,FIMの順に,ベースライン期(77.5%,68%,68%),介入1(79%,80.5%,79%),介入2(93.4%,90.4%,90%),介入3(98%,97%,100%),フォローアップ期(98%,96.6%,99.3%)であった。ベースライン期と介入2・3およびフォローアップ期間で有意な差を認めた。また平均失敗回数は介入開始後11週で11回(最大は経験1年目で25回,最小は経験8年目で2回)であった。経験年数と未入力回数の相関係数は-0.454であり有意ではなかった。


【考察】今回検討した3項目のうち入力成功率に影響を及ぼす手がかりは,管理者からの言語・文字教示だけでは効果が低く,個別フィードバック,および入力欄・選択肢の設定が有効であると考えられた。さらに,未入力回数は経験年数とは関連しなかった。よって,未入力の要因は経験年数ではなく,その他の要因が考えられ,最終的に95%以上の入力率となったが,さらに100%となる介入方法について検討が必要である。