[P-ED-18-3] 理学療法士における管理業務の実態調査
Keywords:理学慮法士, 管理業務, 調査
【はじめに,目的】
平成28年3月現在,理学療法士が勤務する施設数は全国で16,000施設を超え理学療法士協会会員数は10万人に上っている。超高齢社会に突入し医療・介護においてリハビリテーションの重要性が高まる昨今,診療・介護報酬制度においても質のアウトカム評価が導入され,我々理学療法士に求められる結果と責任も高まっている。そのため多くの部門管理者である理学療法士が,この質の向上及び改善にむけ管理業務やリーダー業務を担っているものと推測される。しかし理学療法士によるこれら管理業務の実態は未だ把握されていない。27年度に当部門が実施した理学療法士の管理業務の実態調査データを対象に詳細な分析を行い,若干の知見を得たので報告する。
【方法】
アンケート対象は日本理学療法士協会会員とし,調査の目的,回答方法を日本理学療法士学会ホームページ(以下HP)へ掲載した。実施期間は27年9月~28年2月,回答方法はウェブ入力方式(無記名式)とした。回答はGoogle社提供のGoogle Driveへ自動取り込みさせて匿名化を図った。また回答を促すよう都道府県理学療法士協会やHP等の各種広報にて周知を図った。分析対象は,有効回答データ825件とした。
調査項目は理学療法経験年数,管理業務の年数・割合,勤務施設の種別,管理下職員数,相談相手や管理の取り組みについて,選択肢形式にて行った。また,自由記載の意見についてはカテゴリー分けした。
【結果】
臨床経験年数は,11~15年が182名,16~20年が183名,21年以上が245名と約74%を占め,10年以内が213名で25%であった。管理経験年数は,1~3年目が266名(37%)と一番多く,10年以内が約半数であった。管理業務の割合は,専従が382件と約半数近くを占めた。勤務施設の種別は,各領域において分布されていた。管理下職員数は,約74%が30名以下であった。さらに自由記載は211件(26%)あり,うち人材育成に関すること82件(39%)と最も多く,次いで臨床管理・労務管理があがった。また,クロス集計より経験年数7~10年目かつ管理経験1~3年目が最も多く91名であった。このセグメントについて分析を行ったところ,専従者は34名(37%)であり,大半は部分的にかかわっているものであり,自由意見は,専従者はわずか5件で社会人教育や人間関係に対するものである一方で,非専従においては16件あり,人間関係・兼務・管理教育の不足・労務管理・組織に大別された。
【結論】
臨床経験年数は広範に分布しているが管理業務の経験年数は1~3年が多く,人間関係の悩みや管理者教育の不足を訴える意見が多かった。管理を担う理学療法士の就労環境や問題点は多岐に渡る。管理経験年数よって,管理業務の内容や特徴が明らかとなった。今後,更なる調査を進め,学会としてもその対策を講じていく必要がある。
平成28年3月現在,理学療法士が勤務する施設数は全国で16,000施設を超え理学療法士協会会員数は10万人に上っている。超高齢社会に突入し医療・介護においてリハビリテーションの重要性が高まる昨今,診療・介護報酬制度においても質のアウトカム評価が導入され,我々理学療法士に求められる結果と責任も高まっている。そのため多くの部門管理者である理学療法士が,この質の向上及び改善にむけ管理業務やリーダー業務を担っているものと推測される。しかし理学療法士によるこれら管理業務の実態は未だ把握されていない。27年度に当部門が実施した理学療法士の管理業務の実態調査データを対象に詳細な分析を行い,若干の知見を得たので報告する。
【方法】
アンケート対象は日本理学療法士協会会員とし,調査の目的,回答方法を日本理学療法士学会ホームページ(以下HP)へ掲載した。実施期間は27年9月~28年2月,回答方法はウェブ入力方式(無記名式)とした。回答はGoogle社提供のGoogle Driveへ自動取り込みさせて匿名化を図った。また回答を促すよう都道府県理学療法士協会やHP等の各種広報にて周知を図った。分析対象は,有効回答データ825件とした。
調査項目は理学療法経験年数,管理業務の年数・割合,勤務施設の種別,管理下職員数,相談相手や管理の取り組みについて,選択肢形式にて行った。また,自由記載の意見についてはカテゴリー分けした。
【結果】
臨床経験年数は,11~15年が182名,16~20年が183名,21年以上が245名と約74%を占め,10年以内が213名で25%であった。管理経験年数は,1~3年目が266名(37%)と一番多く,10年以内が約半数であった。管理業務の割合は,専従が382件と約半数近くを占めた。勤務施設の種別は,各領域において分布されていた。管理下職員数は,約74%が30名以下であった。さらに自由記載は211件(26%)あり,うち人材育成に関すること82件(39%)と最も多く,次いで臨床管理・労務管理があがった。また,クロス集計より経験年数7~10年目かつ管理経験1~3年目が最も多く91名であった。このセグメントについて分析を行ったところ,専従者は34名(37%)であり,大半は部分的にかかわっているものであり,自由意見は,専従者はわずか5件で社会人教育や人間関係に対するものである一方で,非専従においては16件あり,人間関係・兼務・管理教育の不足・労務管理・組織に大別された。
【結論】
臨床経験年数は広範に分布しているが管理業務の経験年数は1~3年が多く,人間関係の悩みや管理者教育の不足を訴える意見が多かった。管理を担う理学療法士の就労環境や問題点は多岐に渡る。管理経験年数よって,管理業務の内容や特徴が明らかとなった。今後,更なる調査を進め,学会としてもその対策を講じていく必要がある。