[P-KS-16-5] 立位における振り向き姿勢を保持する際の筋活動
Keywords:体幹回旋動作, 姿勢保持, 腹斜筋
【はじめに,目的】振り向き動作は,高齢者の転倒の受傷機転となりやすく,頚部・体幹・股関節の回旋を伴う複合的な動作であると述べられている。しかし,各関節の回旋角度は課題により一定ではなく,各関節の回旋可動域がどの程度必要か不明確であった。そこで,我々は第28回大阪府理学療法学術大会において,振り向き姿勢を保持する際の各関節回旋角度とその変化量に関して報告した。一方,振り向き姿勢保持の際の筋活動がどの程度必要か明確にされていない。そこで,本研究では振り向き姿勢保持の際の頸部・体幹・股関節回旋に必要な筋活動を明らかにすることを目的とした。
【方法】健常成人男性10名(年齢25.8±2.6歳,身長167.1±2.72cm)とした。課題は,対象者に静止立位をとらせ,右方向へ90°,130°,180°に位置する目標物に,頭部に設置したレーザーポインタを合わせる振り向き姿勢保持とした。各課題時の筋電図積分値は,筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)にて計測した。その際の電極貼付は,両側胸鎖乳突筋,両側最長筋,右内腹斜筋斜走線維,左外腹斜筋(単独部位),右中殿筋前部線維,右中殿筋後部線維とした。測定後の筋電図解析は,1秒あたりの筋電図積分値を安静立位の積分値で除した筋電図積分値相対値で示した。また,90°・130°・180°課題での筋電図積分値相対値の統計は,正規性の検定後,Kruskal Wallis検定とSteel Dwass法の多重比較検定を用いた。これらの有意水準は5%未満とした。
【結果】90°課題に比べて180°課題で右内腹斜筋斜走線維,左外腹斜筋の筋電図積分値相対値が,有意に増大した。その他の筋の筋電図積分値相対値は,課題間で有意差は認めなかった。
【結論】今回の研究では90°課題と比較して180°課題で右内腹斜筋,左外腹斜筋の筋電図積分値相対値が有意に増大した。この要因として,90°課題と比較して180°課題で体幹回旋角度の変化量が増大したことが考えられた。先行研究(下沖。2016)では90°課題と比較して180°課題で体幹右回旋角度が有意に増大したという結果が得られている。これらを考慮すると,右側方へ振り向くよりも真後ろへ振り向く課題では,体幹右回旋角度が増大したため,体幹右回旋の主動作筋である右内腹斜筋と左外腹斜筋の筋活動が増大した可能性が高いと考えた。また,同様の先行研究で,130°課題と各課題間の体幹右回旋角度に有意差を認めなかった。このことから,130°課題と各課題間の体幹右回旋筋の活動に有意差が得られなかったのではないかと考えた。
【方法】健常成人男性10名(年齢25.8±2.6歳,身長167.1±2.72cm)とした。課題は,対象者に静止立位をとらせ,右方向へ90°,130°,180°に位置する目標物に,頭部に設置したレーザーポインタを合わせる振り向き姿勢保持とした。各課題時の筋電図積分値は,筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)にて計測した。その際の電極貼付は,両側胸鎖乳突筋,両側最長筋,右内腹斜筋斜走線維,左外腹斜筋(単独部位),右中殿筋前部線維,右中殿筋後部線維とした。測定後の筋電図解析は,1秒あたりの筋電図積分値を安静立位の積分値で除した筋電図積分値相対値で示した。また,90°・130°・180°課題での筋電図積分値相対値の統計は,正規性の検定後,Kruskal Wallis検定とSteel Dwass法の多重比較検定を用いた。これらの有意水準は5%未満とした。
【結果】90°課題に比べて180°課題で右内腹斜筋斜走線維,左外腹斜筋の筋電図積分値相対値が,有意に増大した。その他の筋の筋電図積分値相対値は,課題間で有意差は認めなかった。
【結論】今回の研究では90°課題と比較して180°課題で右内腹斜筋,左外腹斜筋の筋電図積分値相対値が有意に増大した。この要因として,90°課題と比較して180°課題で体幹回旋角度の変化量が増大したことが考えられた。先行研究(下沖。2016)では90°課題と比較して180°課題で体幹右回旋角度が有意に増大したという結果が得られている。これらを考慮すると,右側方へ振り向くよりも真後ろへ振り向く課題では,体幹右回旋角度が増大したため,体幹右回旋の主動作筋である右内腹斜筋と左外腹斜筋の筋活動が増大した可能性が高いと考えた。また,同様の先行研究で,130°課題と各課題間の体幹右回旋角度に有意差を認めなかった。このことから,130°課題と各課題間の体幹右回旋筋の活動に有意差が得られなかったのではないかと考えた。