[P-KS-34-5] 異なるベッド条件下におけるブリッジ動作時筋活動
Keywords:ブリッジ, 筋活動, 筋電図
【はじめに,目的】ブリッジ動作は大殿筋を主とした筋力強化練習として実施される動作である。ブリッジ動作中の筋活動に関する先行研究は,異なる肢位や方法での比較が多く報告されている。臨床においてブリッジ動作はベッドサイド時期のエアマット上で行うことも多い。しかし,足部のみを不安定にした状態の筋活動の報告はみられるが,エアマットのような全体が不安定な状態での報告はみられない。そこで本研究の目的は,プラットホームとエアマット上でブリッジ動作を行った際の筋活動を明らかにすることである。
【方法】対象は,疾患既往のない健常大学生24名(平均年齢20.5±0.6歳,男性10名,女性14名)である。測定条件は,ベッド面の硬さ2条件[プラットホーム(パラマウントベッド社製),エアマットADVAN(ソフトモード,molten社製)]と,初期膝関節屈曲角度3条件(90°,110°,130°)の計6種類を設けた。
筋電図データは,表面筋電計を使用した。被検筋は脊柱起立筋,大殿筋(上部線維・下部線維),大腿二頭筋長頭の3筋4か所とした。各筋に電極を貼付した後,検者の徒手抵抗により最大随意収縮時(maximum voluntary contraction:以下MVC)の筋電図を測定した。
MVC測定後,十分な休憩時間を設けブリッジ動作の測定に移った。開始肢位は,膝関節角度条件に加え,上肢は胸の前で腕組みさせ,足底面全体をベッド面に接地させた姿勢とした。そこから,股関節角度0°になる高さまでブリッジ動作を行わせ,その姿勢を5秒間保持させた。筋電図データは,サンプリング周波数1kHzにて計測した。各条件の試行数は3回とし,試行順は無作為とした。筋電図の解析には,中間3秒間のデータを用いた。得られた筋電波形に対して遮断周波数10Hzの高域通過フィルタをかけ,全波整流した後,積分値を算出した。筋活動量の指標として,各条件の積分値をMVC時の積分値を100%として基準化した値の平均値を採用した。
統計解析は,ベッドの種類と膝関節屈曲角度の両要因における二元配置分散分析を用い,事後検定としてHolmの多重比較検定を実施した。有意水準は5%とした。
【結果】大殿筋および脊柱起立筋はベッド条件間の主効果が認められ,エアマット使用時の筋活動が有意に高かったが,大腿二頭筋長頭では認められなかった。角度角度条件間では,膝関節角度が小さいと大殿筋の活動が減少し,大腿二頭筋長頭ならびに脊柱起立筋の筋活動が有意に増加した。
【結論】膝関節角度の違いによる筋活動変化は先行研究と同様の傾向であり,ベッド条件の影響が少なくそのまま臨床応用が行える。エアマット上動作中の増加は,接地面全体が柔らかく体全体が沈み込んだ状態のため,姿勢保持と動作遂行に大きな筋活動が必要であったと考える。エアマット上での運動は,主にベッドサイドで行うことを想定しているため,筋活動が増加する特徴を理解しながら,運動処方する必要がある。
【方法】対象は,疾患既往のない健常大学生24名(平均年齢20.5±0.6歳,男性10名,女性14名)である。測定条件は,ベッド面の硬さ2条件[プラットホーム(パラマウントベッド社製),エアマットADVAN(ソフトモード,molten社製)]と,初期膝関節屈曲角度3条件(90°,110°,130°)の計6種類を設けた。
筋電図データは,表面筋電計を使用した。被検筋は脊柱起立筋,大殿筋(上部線維・下部線維),大腿二頭筋長頭の3筋4か所とした。各筋に電極を貼付した後,検者の徒手抵抗により最大随意収縮時(maximum voluntary contraction:以下MVC)の筋電図を測定した。
MVC測定後,十分な休憩時間を設けブリッジ動作の測定に移った。開始肢位は,膝関節角度条件に加え,上肢は胸の前で腕組みさせ,足底面全体をベッド面に接地させた姿勢とした。そこから,股関節角度0°になる高さまでブリッジ動作を行わせ,その姿勢を5秒間保持させた。筋電図データは,サンプリング周波数1kHzにて計測した。各条件の試行数は3回とし,試行順は無作為とした。筋電図の解析には,中間3秒間のデータを用いた。得られた筋電波形に対して遮断周波数10Hzの高域通過フィルタをかけ,全波整流した後,積分値を算出した。筋活動量の指標として,各条件の積分値をMVC時の積分値を100%として基準化した値の平均値を採用した。
統計解析は,ベッドの種類と膝関節屈曲角度の両要因における二元配置分散分析を用い,事後検定としてHolmの多重比較検定を実施した。有意水準は5%とした。
【結果】大殿筋および脊柱起立筋はベッド条件間の主効果が認められ,エアマット使用時の筋活動が有意に高かったが,大腿二頭筋長頭では認められなかった。角度角度条件間では,膝関節角度が小さいと大殿筋の活動が減少し,大腿二頭筋長頭ならびに脊柱起立筋の筋活動が有意に増加した。
【結論】膝関節角度の違いによる筋活動変化は先行研究と同様の傾向であり,ベッド条件の影響が少なくそのまま臨床応用が行える。エアマット上動作中の増加は,接地面全体が柔らかく体全体が沈み込んだ状態のため,姿勢保持と動作遂行に大きな筋活動が必要であったと考える。エアマット上での運動は,主にベッドサイドで行うことを想定しているため,筋活動が増加する特徴を理解しながら,運動処方する必要がある。