[P-KS-40-5] 女性高齢者におけるカーフレイズ反復テストの妥当性の検討
Keywords:カーフレイズ反復テスト, 身体機能, 女性高齢者
【はじめに,目的】
カーフレイズは,足関節底屈筋群の筋力増強を目的に用いられるエクササイズであり,我々も臨床において多用している。しかし,活動性の低い高齢者に対しカーフレイズを行う際,十分に反復動作を行えない症例を多く経験する。先行研究では,足関節底屈筋力と身体機能との関連が報告されている。また,足関節底屈筋力は,高齢者の立位姿勢保持や平衡機能と関連があるとされている。そこで我々は,新たな身体機能の評価法として,カーフレイズ反復テストを考案した。本研究の目的は,女性高齢者を対象にカーフレイズ反復テストと身体機能との関連におけるテストの妥当性を検討することとした。
【方法】
対象は,地域在住の女性高齢者38名(平均年齢77.5±6.0歳)。なお,認知機能の低下,疼痛が強い者は対象から除外した。身体機能測定は,カーフレイズ反復テスト,握力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30),開眼片脚立位,Timed Up & Go Test(TUG),6m歩行時間を実施した。また,下腿最大周径の測定も行った。カーフレイズ反復テストの測定肢位は,目線を正面に向け,立位で両足部を腰幅に開き,つま先を自然な方向へ向け,膝関節伸展位とした。その際,転倒予防のため両側の示指を支持物の上に置いて実施した。測定方法は,素足で両側足底接地状態から足関節最大底屈位まで踵部を挙上し,元の状態へ戻す動作を30秒間でできるだけ多く繰り返すように指示した。握力は,左右2回ずつ実施し最大値を採用した。CS-30は,30秒間で何回立ち上がり動作が行えるかを測定した。開眼片脚立位は,2回測定を行い最大値を採用した。TUGは,3m先の目印を回って再び椅子に座るまでの時間を最大速度で測定した。6m歩行時間は,スタートからゴール地点(11m)に目印を設置し,測定区間の始まり(3m地点)と測定区間の終わり(9m地点)までの6mの歩行時間を最大速度で測定した。下腿最大周径は,最大膨隆部を左右測定し,最大値を採用した。統計処理は,カーフレイズ反復テストの回数とその他の身体機能の測定値との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて検討した。なお,統計分析にはSPSS22.0(IBM社製)を用い,有意水準は5%とした。
【結果】
カーフレイズ反復テストと有意な相関が認められたのは,握力(ρ=0.54,p<0.01),CS-30(ρ=0.73,p<0.01),開眼片脚立位(ρ=0.54,p<0.01),TUG(ρ=-0.65,p<0.01),6m歩行時間(ρ=-0.63,p<0.01),下腿最大周径(ρ=0.53,p<0.01)であった。
【結論】
本研究の結果,女性高齢者においてカーフレイズ反復テストが身体機能と関連することが明らかとなった。また,カーフレイズ反復テストは相関係数が強い順に,CS-30,TUG,6m歩行時間,開眼片脚立位,握力,下腿最大周径と有意な関連が認められた。以上から,カーフレイズ反復テストは女性高齢者の身体機能を反映する評価法であることが示唆された。
カーフレイズは,足関節底屈筋群の筋力増強を目的に用いられるエクササイズであり,我々も臨床において多用している。しかし,活動性の低い高齢者に対しカーフレイズを行う際,十分に反復動作を行えない症例を多く経験する。先行研究では,足関節底屈筋力と身体機能との関連が報告されている。また,足関節底屈筋力は,高齢者の立位姿勢保持や平衡機能と関連があるとされている。そこで我々は,新たな身体機能の評価法として,カーフレイズ反復テストを考案した。本研究の目的は,女性高齢者を対象にカーフレイズ反復テストと身体機能との関連におけるテストの妥当性を検討することとした。
【方法】
対象は,地域在住の女性高齢者38名(平均年齢77.5±6.0歳)。なお,認知機能の低下,疼痛が強い者は対象から除外した。身体機能測定は,カーフレイズ反復テスト,握力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30),開眼片脚立位,Timed Up & Go Test(TUG),6m歩行時間を実施した。また,下腿最大周径の測定も行った。カーフレイズ反復テストの測定肢位は,目線を正面に向け,立位で両足部を腰幅に開き,つま先を自然な方向へ向け,膝関節伸展位とした。その際,転倒予防のため両側の示指を支持物の上に置いて実施した。測定方法は,素足で両側足底接地状態から足関節最大底屈位まで踵部を挙上し,元の状態へ戻す動作を30秒間でできるだけ多く繰り返すように指示した。握力は,左右2回ずつ実施し最大値を採用した。CS-30は,30秒間で何回立ち上がり動作が行えるかを測定した。開眼片脚立位は,2回測定を行い最大値を採用した。TUGは,3m先の目印を回って再び椅子に座るまでの時間を最大速度で測定した。6m歩行時間は,スタートからゴール地点(11m)に目印を設置し,測定区間の始まり(3m地点)と測定区間の終わり(9m地点)までの6mの歩行時間を最大速度で測定した。下腿最大周径は,最大膨隆部を左右測定し,最大値を採用した。統計処理は,カーフレイズ反復テストの回数とその他の身体機能の測定値との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて検討した。なお,統計分析にはSPSS22.0(IBM社製)を用い,有意水準は5%とした。
【結果】
カーフレイズ反復テストと有意な相関が認められたのは,握力(ρ=0.54,p<0.01),CS-30(ρ=0.73,p<0.01),開眼片脚立位(ρ=0.54,p<0.01),TUG(ρ=-0.65,p<0.01),6m歩行時間(ρ=-0.63,p<0.01),下腿最大周径(ρ=0.53,p<0.01)であった。
【結論】
本研究の結果,女性高齢者においてカーフレイズ反復テストが身体機能と関連することが明らかとなった。また,カーフレイズ反復テストは相関係数が強い順に,CS-30,TUG,6m歩行時間,開眼片脚立位,握力,下腿最大周径と有意な関連が認められた。以上から,カーフレイズ反復テストは女性高齢者の身体機能を反映する評価法であることが示唆された。