[P-KS-46-1] 大腿四頭筋における筋力と筋電位の関係
合成ベクトルの算出は有効か?
Keywords:筋電図, 合成ベクトル, 大腿四頭筋
【はじめに】
大腿四頭筋に関する筋力と筋電位に関する先行研究では,外側広筋など単頭のみで計測されている報告は多く行われている。しかし,大腿四頭筋は単頭のみで筋力を発揮し関節運動を行っているわけではない。そこで,合成ベクトル(Synthetic Vector以下SV)を算出することは,静的・動的な膝関節の制御に関与している筋の特徴を明らかにするうえで重要である。本研究の目的は静的な大腿四頭筋筋力と筋電位の関係を明らかにすることである。
【方法】
対象は健常男性19名とした。筋力計測にはPRIMUS RS(BTE社)を使用した。測定肢位は椅子座位とし,膝関節90°屈曲位で骨盤帯を固定し,5秒間の膝関節伸展筋力(等尺性)を計測した。筋電図計測にはME-6000(Mega社)を用い大腿直筋(RF)・外側広筋(VL)・内側広筋(VM)を対象筋とした。運動課題は安定した電位を得るために50秒間の等尺性運動とした。運動課題は5・10・20・30・40・50%の負荷で実施した。SVの算出方法はVLをcos20°・VMをcos50°と仮定し,その3筋の合計値とした。筋力測定で得られた波形を整流・平滑化し,前後1秒を除外した3秒間の平均電位(AEMG)を算出した。各運動負荷で得られた波形を前後10秒を除外した30秒間のAEMGを算出し,筋力測定で得られた値で正規化した(%AEMG)。統計解析は単回帰分析を用いた。従属変数を筋力値,独立変数をRF・VL・VM・SVとした(α=0.05)。
【結果】
r=0.8(RF),0.8(VL),0.7(VM),0.9(SV)であった(P<0.01)。R2=0.79(RF),0.73(VL),0.62(VM),0.81(SV)であった。SE=7.4(RF),8.3(VL),9.7(VM),6.9(SV)であった。
【考察】
各筋とも高い相関関係を示したがSVで最も関連性・的中率・誤差がともに良好な結果を示した。今回のような持続的な膝関節の伸展筋の出力調整では各筋の相互作用により筋出力が調整されていることが考えられた。
【臨床的意義】
各筋のSVを求めることで関節制御能力評価することが出来る可能性が示された。
大腿四頭筋に関する筋力と筋電位に関する先行研究では,外側広筋など単頭のみで計測されている報告は多く行われている。しかし,大腿四頭筋は単頭のみで筋力を発揮し関節運動を行っているわけではない。そこで,合成ベクトル(Synthetic Vector以下SV)を算出することは,静的・動的な膝関節の制御に関与している筋の特徴を明らかにするうえで重要である。本研究の目的は静的な大腿四頭筋筋力と筋電位の関係を明らかにすることである。
【方法】
対象は健常男性19名とした。筋力計測にはPRIMUS RS(BTE社)を使用した。測定肢位は椅子座位とし,膝関節90°屈曲位で骨盤帯を固定し,5秒間の膝関節伸展筋力(等尺性)を計測した。筋電図計測にはME-6000(Mega社)を用い大腿直筋(RF)・外側広筋(VL)・内側広筋(VM)を対象筋とした。運動課題は安定した電位を得るために50秒間の等尺性運動とした。運動課題は5・10・20・30・40・50%の負荷で実施した。SVの算出方法はVLをcos20°・VMをcos50°と仮定し,その3筋の合計値とした。筋力測定で得られた波形を整流・平滑化し,前後1秒を除外した3秒間の平均電位(AEMG)を算出した。各運動負荷で得られた波形を前後10秒を除外した30秒間のAEMGを算出し,筋力測定で得られた値で正規化した(%AEMG)。統計解析は単回帰分析を用いた。従属変数を筋力値,独立変数をRF・VL・VM・SVとした(α=0.05)。
【結果】
r=0.8(RF),0.8(VL),0.7(VM),0.9(SV)であった(P<0.01)。R2=0.79(RF),0.73(VL),0.62(VM),0.81(SV)であった。SE=7.4(RF),8.3(VL),9.7(VM),6.9(SV)であった。
【考察】
各筋とも高い相関関係を示したがSVで最も関連性・的中率・誤差がともに良好な結果を示した。今回のような持続的な膝関節の伸展筋の出力調整では各筋の相互作用により筋出力が調整されていることが考えられた。
【臨床的意義】
各筋のSVを求めることで関節制御能力評価することが出来る可能性が示された。