The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT) » ポスター発表

[P-KS-54] ポスター(基礎)P54

Sun. May 14, 2017 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本基礎理学療法学会(JSPTF・JFPT)

[P-KS-54-4] 短時間の前庭ランダムノイズ電流刺激が立位重心動揺に与える影響

犬飼 康人1,2, 正木 光裕1,2, 齊藤 慧1,2, 佐々木 亮樹2, 立木 翔太2, 宮口 翔太1,2, 小島 翔1,2, 大鶴 直史1,2, 大西 秀明1,2 (1.新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科, 2.新潟医療福祉大学運動機能医科学研究所)

Keywords:前庭, ランダムノイズ電流刺激, 重心動揺

【はじめに,目的】

転倒経験のある高齢者では,立位重心測定時に足圧中心(COP)の総軌跡長や平均移動速度が高値を示すことが報告されている(Melzer, et al., 2004)。乳様突起に電極を貼布し,ランダムノイズ電流による前庭刺激を行うと,刺激中の総軌跡長,平均移動速度が減少する(犬飼ら., 2016。本研究の目的は,5秒間という短時間での介入においても重心動揺は減少するかを検証するとともに,高い刺激効果を示す被験者の傾向を明らかにすることである。

【方法】

対象は健常成人26名(男性:13名,女性:13名)とした。ランダムノイズ電流刺激にはDC-Stimulator Plus(Neuro Conn社製)を使用し,直径2 cmの円形電極を両側の乳様突起に貼布した。重心動揺測定はCFP400PA102RS(Leptorino社製)を使用し,測定時間は30秒とした。測定条件は,1)Control条件(刺激無し),2)1.0 mA_30秒刺激条件,3)0.4 mA_30秒刺激条件,4)0.4 mA_5秒刺激条件(S_0.4 mA条件)の4条件とし,各条件2回の測定を行った。各条件は被験者毎にランダムに行い,測定した2回の総軌跡長と平均移動速度の級内相関係数(ICC)と平均値を算出した。各項目での平均値について,反復測定一元配置分散分析後,Bonferroni法にて事後検定を行った。また,Control条件の重心動揺の値と,他の刺激条件での刺激効果についてPearsonの積率相関を用いて相関係数を算出した。なお,有意水準は5%とした。

【結果】

測定した総軌跡長,平均移動速度のICCはいずれも高値を示した(ICC:0.85~0.94)。各条件の重心動揺[総軌跡長(mm±SE)/平均移動速度(mm/sec±SE)]は,Control条件[498.1±21.8/16.7±0.7],1.0mA_30秒刺激条件[458.8±17.8/15.3±0.6],0.4mA_30秒刺激条件[457.4±16.5/15.3±0.6],S_0.4mA条件[448.9±18.0/15.0±0.6]であった。反復測定一元配置分散分析の結果,総軌跡長,平均移動速度ともに主効果を認めた(p<0.01)。事後検定の結果,すべての刺激条件で,Control条件に比べて総軌跡長と平均移動速度の有意な減少を認めた(p<0.05)。また,Control条件での総軌跡長,平均移動速度の値は,他の刺激条件での刺激効果と有意な負の相関を認めた(p<0.05,r=-0.443~-0.602)。

【結論】

前庭ランダムノイズ電流刺激は,5秒間という短時間の介入でも重心動揺を減少させることが明らかとなった。また,Control条件で総軌跡長や平均移動速度が高値を示す被験者で,刺激効果が大きかったことから,高齢者の転倒予防に有用な介入方法であることで示唆された。