[P-MT-46-4] 鏡視下腱板修復術後3ヶ月の生活の質と関節可動域との関連性
Keywords:腱板損傷, 関節可動域, 生活の質
【はじめに,目的】
腱板修復術後の再断裂は16~90%と報告されており,そのほとんどが3ヶ月以内に生じる。術後3ヶ月の縫縮腱の強度は50%程度と脆弱であるため,活動量やリハビリテーションでの負荷量の設定に注意を要する。また,活動性が増加する時期であり,生活の質(QOL)の向上が重要である。我々は術後3ヶ月のQOLに関連する術前因子を検討し,術前QOLの重要性を報告した。また,術前QOLと関節可動域(ROM)が関連することを報告した。術後3ヶ月のQOLに関連する術後3ヶ月のROMは明らかになってない。本研究の目的を術後3ヶ月のQOLと術後3ヶ月のROMとの関連性を明らかにすることとした。
【方法】
院内倫理委員会の承認を得たのちに対象者のリクルートを開始した。当院にて関節鏡視下腱板修復術を施行した43名(男性25名,女性18名),年齢63.4歳±9.3歳が研究参加に同意した。除外基準は肩関節に手術既往のあるものとした。
QOLは日本語版Western Ontario Rotator Cuff Index(WORC)のtotal scoreで評価した。他動ROMとして,肩関節屈曲,外転,内転,1st外旋,2nd外旋および内旋,3rd内旋を日本整形外科学会の基準に準じて測定した。加えて,Combined Abduction Angle(CAA),Horizontal Flexion Angle(HFA)も測定した。観察因子を術後3ヶ月のWORCとし,予測因子を術後3ヶ月の他動ROMとした。
統計にはスピアマンの順位相関係数(rs)を用い,有意水準を5%未満とした。
【結果】
術後3ヶ月のWORCと他動屈曲(p=0.01,rs=0.36),外転(p=0.005,rs=0.47),1st外旋(p=0.02,rs=0.33),2nd外旋(p=0.0006,rs=0.52)との間に有意な相関がみられた。内転(p=0.40,rs=0.13),2nd内旋(p=0.55,rs=0.09),3rd内旋(p=0.75,rs=0.04),CAA(p=0.22,rs=0.18),HFA(p=0.87,rs=0.02)との間には有意な相関がみられなかった。
【結論】
今回の結果から,術後3ヶ月のWORCには他動屈曲,外転,1st外旋,2nd外旋が関連した。術後3ヶ月は軽作業の仕事復帰やADLの活動量が増加する時期である。そのため,術後3ヶ月のQOLは重要である。再断裂が発生する時期でもあり,活動量の増加には注意を要する。ROM制限に関して,術後1年でROM制限が残存する例に対して受動術を施行することで,ROM制限がない例と同程度の臨床成績が得られると報告されている。しかしながら,術後2年での臨床成績であり,短期的なQOLとROMの関連性について検討されていない。今回の結果より術後早期よりROMを改善することの重要性が示唆された。
腱板修復術後の再断裂は16~90%と報告されており,そのほとんどが3ヶ月以内に生じる。術後3ヶ月の縫縮腱の強度は50%程度と脆弱であるため,活動量やリハビリテーションでの負荷量の設定に注意を要する。また,活動性が増加する時期であり,生活の質(QOL)の向上が重要である。我々は術後3ヶ月のQOLに関連する術前因子を検討し,術前QOLの重要性を報告した。また,術前QOLと関節可動域(ROM)が関連することを報告した。術後3ヶ月のQOLに関連する術後3ヶ月のROMは明らかになってない。本研究の目的を術後3ヶ月のQOLと術後3ヶ月のROMとの関連性を明らかにすることとした。
【方法】
院内倫理委員会の承認を得たのちに対象者のリクルートを開始した。当院にて関節鏡視下腱板修復術を施行した43名(男性25名,女性18名),年齢63.4歳±9.3歳が研究参加に同意した。除外基準は肩関節に手術既往のあるものとした。
QOLは日本語版Western Ontario Rotator Cuff Index(WORC)のtotal scoreで評価した。他動ROMとして,肩関節屈曲,外転,内転,1st外旋,2nd外旋および内旋,3rd内旋を日本整形外科学会の基準に準じて測定した。加えて,Combined Abduction Angle(CAA),Horizontal Flexion Angle(HFA)も測定した。観察因子を術後3ヶ月のWORCとし,予測因子を術後3ヶ月の他動ROMとした。
統計にはスピアマンの順位相関係数(rs)を用い,有意水準を5%未満とした。
【結果】
術後3ヶ月のWORCと他動屈曲(p=0.01,rs=0.36),外転(p=0.005,rs=0.47),1st外旋(p=0.02,rs=0.33),2nd外旋(p=0.0006,rs=0.52)との間に有意な相関がみられた。内転(p=0.40,rs=0.13),2nd内旋(p=0.55,rs=0.09),3rd内旋(p=0.75,rs=0.04),CAA(p=0.22,rs=0.18),HFA(p=0.87,rs=0.02)との間には有意な相関がみられなかった。
【結論】
今回の結果から,術後3ヶ月のWORCには他動屈曲,外転,1st外旋,2nd外旋が関連した。術後3ヶ月は軽作業の仕事復帰やADLの活動量が増加する時期である。そのため,術後3ヶ月のQOLは重要である。再断裂が発生する時期でもあり,活動量の増加には注意を要する。ROM制限に関して,術後1年でROM制限が残存する例に対して受動術を施行することで,ROM制限がない例と同程度の臨床成績が得られると報告されている。しかしながら,術後2年での臨床成績であり,短期的なQOLとROMの関連性について検討されていない。今回の結果より術後早期よりROMを改善することの重要性が示唆された。