The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本神経理学療法学会 » ポスター発表

[P-NV-19] ポスター(神経)P19

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本神経理学療法学会

[P-NV-19-5] 脊髄炎による歩行障害を呈したブルドッグに対する理学療法を実施した一例

山本 典弘 (みなせ動物病院)

Keywords:動物理学療法, 脊髄炎, 歩行

【はじめに,目的】

近年,動物を家族の一員として迎える家庭が増えている。それに伴い伴侶動物の生活様式,食生活にも大きな変化が出てきており,動物に対するQOLの向上も求められている。様々な疾患の発症により動物のQOLも低下してくると原疾患の治療だけでなくQOLの向上に向けリハビリテーションが重要となってくる。今回,脊髄炎の発症により後肢の感覚障害及び歩行障害を生じた症例に対し,早期理学療法を開始した症例を経験したので報告する。

【方法】

対象は本研究の趣旨を説明し同意を得た1歳2ヶ月の去勢済みのブルドッグである。後肢の感覚障害,及び歩行障害に対し週1回外来理学療法にて関節可動域訓練,バランス機能訓練,EMSを開始した。

【結果】

片側椎弓切除術により責任病巣付近の疼痛は改善したが,後肢の不全麻痺,排尿障害に関しては早期の改善は見られなかった。しかし,術前,術後ともに関節可動域,筋力は比較的保たれていた。

【結論】

動物理学療法の分野は日本ではまだまだ未知の領域でありEBMも確立されていない。そのため,今回の一症例だけでは信頼性には乏しい。しかし,今回早期の理学療法介入により発症以前と比較し関節可動域,筋力,歩行障害に改善が見られていた為,理学療法の介入が有効であるのではないかと考える。今後は様々な事例の比較,検討が必要であると考える。また動物に対するQOLの概念は飼い主の意向によるところが大きい為,ゴール設定の難しさが今後の課題であると考える。

本研究はみなせ動物病院獣医師の承認を受け実施した。なお,対象症例に対して直接の同意を得られないため,飼い主に本研究の趣旨や目的,研究結果の取り扱いなどについて十分に説明し,同意を得た。