The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本呼吸理学療法学会 » ポスター発表

[P-RS-01] ポスター(呼吸)P01

Sat. May 13, 2017 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本呼吸理学療法学会

[P-RS-01-1] 肺がん患者における運動耐容能の規定因子について

三嶋 卓也 (公立陶生病院中央リハビリテーション部)

Keywords:肺がん, 運動耐容能, 倦怠感

【はじめに】

肺がんでは咳,原因不明の体重減少,継続する微熱,倦怠感などの症状が出現し,進行すると運動耐容能の低下を招く。

【目的】

肺がん患者において運動耐容能は予後に影響すると報告されているが,運動耐容能を規定する因子についての検討はない。本研究では肺がん患者における運動耐容能の規定因子について検討した。

【方法】

2014年10月から2016年8月の間に当院で肺がんの診断を受けた患者30例(男性26例,SCLC5例/NSCLC25例,平均年齢69.0±8.9歳,PS 0/1/2:24/4/2例)を対象として治療前に肺機能(FVC%pred,FEV1.0%,DLco%pred),呼吸困難(mMRC),精神機能(不安/抑うつ),倦怠感(BFI),下肢筋力(大腿四頭筋筋力),運動耐容能(6MWD)の測定を行った。解析は6MWDとその他の測定項目の相関関係を検討した後に6MWDを従属変数,有意に相関関係を認めた測定項目を独立変数とした重回帰分析を行い規定因子について検討した。

【結果】

測定結果はFVC%pred:105.3±19.6%,FEV1.0%:66.6±19.8%,DLco%pred:85.2±27.6%,mMRC:0/1/2/3:14/11/1/4,不安:5.9±3.4,抑うつ:6.0±4.2,BFI:18.3±16.3,大腿四頭筋筋力:86.9±28.9Nm,6MWD:517.0±129mであった。6MWDと有意な相関関係が認められた独立変数は,FVC%pred(r=0.56),FEV1.0%(r=0.33),DLco%pred(r=0.35),mMRC(r=-0.59),抑うつ(r=-0.46),BFI(r=-0.69),下肢筋力(r=0.64)であった。重回帰分析では6MWDの規定因子として下肢筋力,mMRC,BFIが抽出された。R2は0.74と高く,予測精度が高かった。

【結論】

肺がん患者の運動耐容能は下肢筋力,呼吸困難,倦怠感が独立した規定因子であることが示唆された。