[P-RS-09-4] 在宅酸素療法使用患者の再入院となる要因の検討
Keywords:在宅酸素療法, 再入院, 生活指導
【はじめに,目的】
近年,長期にわたり酸素療法を行っている患者は在宅酸素療法(以下HOT)の普及や人口の高齢化に伴い増加傾向にある。HOTの適応時期には各種肺疾患が進行し,ADLや活動量が低下している場合が多い。HOT使用患者が再入院することでADLやQOLが著名に低下することを経験するため,呼吸器リハビリテーションを行う際は運動療法以外にも再入院の予防を目的に包括的な管理を含めた生活指導を行っていく必要がある。そのためには病態の把握が必要であり,HOT使用患者の再入院の実態を把握することで,理学療法士の立場からできる指導やアプローチがあるのではないかと考え調査した。
【方法】
対象はHOTを使用している症例で2014年3月から2016年3月の間に退院した86例。そのうち,6ヵ月以内に再入院となった症例を診療録より年齢,性別,原疾患,再入院となった要因を後ろ向きに検討した。ただし,化学療法目的,肺がんによる再入院は除いた。
【結果】
再入院症例は44例(51%)で,平均年齢74.8(56-90)歳。男性29名,女性15名。原疾患別では間質性肺炎28名(64%),COPD10名(23%),その他6名(14%)。再入院となった要因の内訳は肺炎,感染症が15名(34%),左室機能低下からの心不全7名(16%),間質性肺炎の急性増悪6名(14%),COPDの急性増悪3名(7%),食欲不振2名(5%),縦隔気腫2名(5%),低酸素性血管攣縮による右心負荷2名(5%),腰椎圧迫骨折2名(5%),脱水1名(2%),気胸1名(2%),貧血1名(2%),帯状疱疹1名(2%)であった。
【結論】
再入院となった要因としては肺炎,感染症の割合が最も多い。そのため生活指導の際には人込みを避けることや食事中,食後の姿勢,適切な口腔ケア,感染危険因子からも低栄養,低活動とならないように指導することが必要である。呼吸器疾患以外に心疾患の割合も多く入院した際には心機能を把握し,疾患に応じた指導が必要になることもある。理学療法士の立場からHOT使用患者の再入院予防を行っていくには運動療法のみでなく,疾患の知識や患者の病態,生活動作を把握し,想定した上でそれに応じて包括的な管理や生活指導も重要となると示唆される。
近年,長期にわたり酸素療法を行っている患者は在宅酸素療法(以下HOT)の普及や人口の高齢化に伴い増加傾向にある。HOTの適応時期には各種肺疾患が進行し,ADLや活動量が低下している場合が多い。HOT使用患者が再入院することでADLやQOLが著名に低下することを経験するため,呼吸器リハビリテーションを行う際は運動療法以外にも再入院の予防を目的に包括的な管理を含めた生活指導を行っていく必要がある。そのためには病態の把握が必要であり,HOT使用患者の再入院の実態を把握することで,理学療法士の立場からできる指導やアプローチがあるのではないかと考え調査した。
【方法】
対象はHOTを使用している症例で2014年3月から2016年3月の間に退院した86例。そのうち,6ヵ月以内に再入院となった症例を診療録より年齢,性別,原疾患,再入院となった要因を後ろ向きに検討した。ただし,化学療法目的,肺がんによる再入院は除いた。
【結果】
再入院症例は44例(51%)で,平均年齢74.8(56-90)歳。男性29名,女性15名。原疾患別では間質性肺炎28名(64%),COPD10名(23%),その他6名(14%)。再入院となった要因の内訳は肺炎,感染症が15名(34%),左室機能低下からの心不全7名(16%),間質性肺炎の急性増悪6名(14%),COPDの急性増悪3名(7%),食欲不振2名(5%),縦隔気腫2名(5%),低酸素性血管攣縮による右心負荷2名(5%),腰椎圧迫骨折2名(5%),脱水1名(2%),気胸1名(2%),貧血1名(2%),帯状疱疹1名(2%)であった。
【結論】
再入院となった要因としては肺炎,感染症の割合が最も多い。そのため生活指導の際には人込みを避けることや食事中,食後の姿勢,適切な口腔ケア,感染危険因子からも低栄養,低活動とならないように指導することが必要である。呼吸器疾患以外に心疾患の割合も多く入院した際には心機能を把握し,疾患に応じた指導が必要になることもある。理学療法士の立場からHOT使用患者の再入院予防を行っていくには運動療法のみでなく,疾患の知識や患者の病態,生活動作を把握し,想定した上でそれに応じて包括的な管理や生活指導も重要となると示唆される。