[P-SN-04-2] 1歳未満で当センターを利用開始した子どもの発達経過
キーワード:発達支援, 基本情報, 遠城寺式乳幼児分析的発達検査
【はじめに・目的】当センターでは,何らかの発達的課題を持つ小児に対し,理学療法士等による発達支援を行っている。1歳未満で発達支援を開始する小児の中には発達支援開始後,発達の遅れが明らかとなるケースと,典型発達となるケースがいる。そこで今回,発達支援の経過,出生前後の基本情報,遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法(以下,遠城寺式検査法)を基に,当センターを利用している小児の発達傾向を調査したため報告する。
【方法】対象は平成23年9月~26年9月に当センターを1歳未満で利用開始した13名。発達支援開始時(以下,開始時)の平均年齢は修正6.9ヶ月。追跡期間は平成28年9月1日時点で,平均2年4ヶ月であった。発達検査は,遠城寺式検査法を開始時と1歳6ヶ月時に実施。更に,症例の基本情報(在胎週数,出生体重,他)の調査を行った。また,2歳時点での発達支援の経過の調査も行った。
【結果】2歳時点での発達支援の経過は,5名は終了もしくは経過観察となっており,終了群とした。8名では発達支援が継続していたが,うち3名はダウン症候群などの基本疾患を有しており,疾患群とし,残りの5名を継続群とした。平均出生時在胎週数は継続群37.2週,疾患群38.6週,終了群36.4週だった。平均出生体重は継続群2427.6g,疾患群2567.3g,終了群2084.8gで,正常出生体重児が各2名,3名,1名,低出生体重児が各3名,0名,4名だった。
遠城寺式検査法の結果は暦年齢相当の発達段階よりも3段階以上の遅れがあった場合を遅滞とした。終了群では4例で開始時の遅滞は認められず,1例のみ移動運動の領域で遅滞が認められたが,1歳6ヶ月時では全例遅滞は認められなかった。一方,継続群は,2例で開始時の遅滞は認められず,3例で移動運動もしくは言語理解の領域で遅滞が認められ,1歳6ヶ月時では全例言語理解もしくは発語の領域で遅滞が認められた。疾患群では,2例で開始時の遅滞は認められず,1例で全領域で遅滞が認められ,1歳6ヶ月時では全例全領域で遅滞が認められた。
【結論】今回,2歳時点での発達支援の経過から,終了群,疾患群,継続群に分けて,各々の発達特性を調査した。疾患群については各疾患の特性があることから,終了群と継続群の結果について考察を行う。当センターでは,発達支援の必要性を各専門職による評価と行動分析を基に専門職種間の討議,保護者との話し合いの上で検討される。この様な過程を通して2歳の時点で発達支援が必要と判断された継続群の5例は全例,1歳6ヶ月時の遠城寺式発達検査で言語理解もしくは発語領域で遅滞が認められた。一方,2歳の時点で積極的な発達支援は必要ないと判断された終了群4例では全例で遅滞が認められなかった。この2群の全例が出生時体重1500g以上であることから,正常若しくは低出生体重児の特に言語面の発達的予後は1歳6ヶ月時の遠城寺式発達検査の結果と関連している可能性が示唆された。
【方法】対象は平成23年9月~26年9月に当センターを1歳未満で利用開始した13名。発達支援開始時(以下,開始時)の平均年齢は修正6.9ヶ月。追跡期間は平成28年9月1日時点で,平均2年4ヶ月であった。発達検査は,遠城寺式検査法を開始時と1歳6ヶ月時に実施。更に,症例の基本情報(在胎週数,出生体重,他)の調査を行った。また,2歳時点での発達支援の経過の調査も行った。
【結果】2歳時点での発達支援の経過は,5名は終了もしくは経過観察となっており,終了群とした。8名では発達支援が継続していたが,うち3名はダウン症候群などの基本疾患を有しており,疾患群とし,残りの5名を継続群とした。平均出生時在胎週数は継続群37.2週,疾患群38.6週,終了群36.4週だった。平均出生体重は継続群2427.6g,疾患群2567.3g,終了群2084.8gで,正常出生体重児が各2名,3名,1名,低出生体重児が各3名,0名,4名だった。
遠城寺式検査法の結果は暦年齢相当の発達段階よりも3段階以上の遅れがあった場合を遅滞とした。終了群では4例で開始時の遅滞は認められず,1例のみ移動運動の領域で遅滞が認められたが,1歳6ヶ月時では全例遅滞は認められなかった。一方,継続群は,2例で開始時の遅滞は認められず,3例で移動運動もしくは言語理解の領域で遅滞が認められ,1歳6ヶ月時では全例言語理解もしくは発語の領域で遅滞が認められた。疾患群では,2例で開始時の遅滞は認められず,1例で全領域で遅滞が認められ,1歳6ヶ月時では全例全領域で遅滞が認められた。
【結論】今回,2歳時点での発達支援の経過から,終了群,疾患群,継続群に分けて,各々の発達特性を調査した。疾患群については各疾患の特性があることから,終了群と継続群の結果について考察を行う。当センターでは,発達支援の必要性を各専門職による評価と行動分析を基に専門職種間の討議,保護者との話し合いの上で検討される。この様な過程を通して2歳の時点で発達支援が必要と判断された継続群の5例は全例,1歳6ヶ月時の遠城寺式発達検査で言語理解もしくは発語領域で遅滞が認められた。一方,2歳の時点で積極的な発達支援は必要ないと判断された終了群4例では全例で遅滞が認められなかった。この2群の全例が出生時体重1500g以上であることから,正常若しくは低出生体重児の特に言語面の発達的予後は1歳6ヶ月時の遠城寺式発達検査の結果と関連している可能性が示唆された。