[P-SP-06-1] 異なる周波数の全身振動が足関節背屈角度と片脚跳躍高に与える影響
キーワード:全身振動, 足関節背屈角度, 片脚跳躍高
【はじめに,目的】
近年,全身振動(Whole Body Vibration:WBV)は筋力増強やストレッチング効果を狙い,リハビリテーションやスポーツ現場で使われている。WBV使用時には効果的な周波数の選定が必要であるといわれており(東原 他;2009),WBV後の効果についても周波数による違いを検証することは重要だと考える。現在,跳躍高の増加は周波数25-30HzのWBVでの報告が多く(Matthew, et al., 2012),柔軟性の改善は周波数40-50HzのWBVでの報告が多い(Dallas, et al., 2015)。しかし,周波数の違いが柔軟性や跳躍高に与える即時効果を比較した報告は少ない。また,足関節の可動域や片脚跳躍高に与える即時効果の報告は,渉猟し得る限り見当たらない。本研究の目的は異なる周波数(25Hzと40Hz)のWBVが足関節背屈角度と片脚跳躍高に与える即時効果を明らかにすることとした。仮説は25Hzで片脚跳躍高の増加がみられ,40Hzで足関節背屈角度の増加がみられる。
【方法】
対象は健常成人男性6名6脚とした(年齢22.7±1.4歳,身長174±4.0cm,体重64.2±8.3kg,BMI21.1±1.9 kg/m2)。WBVにはSONIX(SONIC WORLD)を使用し,対象者は周波数25Hzと40Hzの2条件を実施した。なお,1条件目を実施後,2条件目の実施までに1日以上の間隔を設け実施した。測定姿勢は,振動台上に非利き脚(ボールを蹴るときの軸足)での片脚立位姿勢をとり,脳への振動が少ない膝関節屈曲50°で統一した(Rieder, et al., 2016)。WBVは30秒を5回実施し,各試行間には30秒の休息時間を設けた。測定項目は片脚スクワットジャンプ(SJ)高と足関節背屈角度とし,WBV前後で測定を実施した。SJ高の測定はMYOTEST(S&C社)を,足関節背屈角度は全自動足関節運動装置(丸善工業)を測定に用いた。各項目3回測定し,平均値を算出した。統計学的解析には足関節背屈角度,片脚SJともに,WBV前後の値の比較に対応のあるt検定を用いた。危険率は5%未満を有意とした。
【結果】
WBV使用前後の足関節背屈角度(°)は,25Hzでそれぞれ22.7±1.6,23.9±2.1,40Hzで22.9±2.3,25.2±2.5であり,いずれもWBV後に有意に角度の増加がみられた(p<0.05)。片脚SJ高(cm)は25Hzでそれぞれ20.2±0.8,21.1±0.7,40Hzで20.2±1.4,20.4±1.3となり,25Hzのみで有意な増加がみられた(p<0.05)。
【結論】
26HzのWBV使用時には,振動刺激に伴う伸長反射と相互抑制が生じ,Ia抑制ニューロンから拮抗筋の収縮を抑制する刺激が伝達される(Cochrane, et al., 2005)。これが背屈角度の有意な増加につながったと考える。WBVは高い周波数ほど筋疲労を引き起こす可能性があるとされている(Cardinale, et al., 2003)。25Hzでは跳躍高の有意な増加がみられ,40HzのWBVでは有意な増加がみられなかったことから,40HzではWBV後に筋疲労が生じていた可能性がある。
近年,全身振動(Whole Body Vibration:WBV)は筋力増強やストレッチング効果を狙い,リハビリテーションやスポーツ現場で使われている。WBV使用時には効果的な周波数の選定が必要であるといわれており(東原 他;2009),WBV後の効果についても周波数による違いを検証することは重要だと考える。現在,跳躍高の増加は周波数25-30HzのWBVでの報告が多く(Matthew, et al., 2012),柔軟性の改善は周波数40-50HzのWBVでの報告が多い(Dallas, et al., 2015)。しかし,周波数の違いが柔軟性や跳躍高に与える即時効果を比較した報告は少ない。また,足関節の可動域や片脚跳躍高に与える即時効果の報告は,渉猟し得る限り見当たらない。本研究の目的は異なる周波数(25Hzと40Hz)のWBVが足関節背屈角度と片脚跳躍高に与える即時効果を明らかにすることとした。仮説は25Hzで片脚跳躍高の増加がみられ,40Hzで足関節背屈角度の増加がみられる。
【方法】
対象は健常成人男性6名6脚とした(年齢22.7±1.4歳,身長174±4.0cm,体重64.2±8.3kg,BMI21.1±1.9 kg/m2)。WBVにはSONIX(SONIC WORLD)を使用し,対象者は周波数25Hzと40Hzの2条件を実施した。なお,1条件目を実施後,2条件目の実施までに1日以上の間隔を設け実施した。測定姿勢は,振動台上に非利き脚(ボールを蹴るときの軸足)での片脚立位姿勢をとり,脳への振動が少ない膝関節屈曲50°で統一した(Rieder, et al., 2016)。WBVは30秒を5回実施し,各試行間には30秒の休息時間を設けた。測定項目は片脚スクワットジャンプ(SJ)高と足関節背屈角度とし,WBV前後で測定を実施した。SJ高の測定はMYOTEST(S&C社)を,足関節背屈角度は全自動足関節運動装置(丸善工業)を測定に用いた。各項目3回測定し,平均値を算出した。統計学的解析には足関節背屈角度,片脚SJともに,WBV前後の値の比較に対応のあるt検定を用いた。危険率は5%未満を有意とした。
【結果】
WBV使用前後の足関節背屈角度(°)は,25Hzでそれぞれ22.7±1.6,23.9±2.1,40Hzで22.9±2.3,25.2±2.5であり,いずれもWBV後に有意に角度の増加がみられた(p<0.05)。片脚SJ高(cm)は25Hzでそれぞれ20.2±0.8,21.1±0.7,40Hzで20.2±1.4,20.4±1.3となり,25Hzのみで有意な増加がみられた(p<0.05)。
【結論】
26HzのWBV使用時には,振動刺激に伴う伸長反射と相互抑制が生じ,Ia抑制ニューロンから拮抗筋の収縮を抑制する刺激が伝達される(Cochrane, et al., 2005)。これが背屈角度の有意な増加につながったと考える。WBVは高い周波数ほど筋疲労を引き起こす可能性があるとされている(Cardinale, et al., 2003)。25Hzでは跳躍高の有意な増加がみられ,40HzのWBVでは有意な増加がみられなかったことから,40HzではWBV後に筋疲労が生じていた可能性がある。