[P-SP-07-1] 聴覚障がい者サッカー競技におけるメディカルサポート報告
積極的な理学療法士の関わりに向けて
Keywords:ろうあ者, メディカルサポート, 傷害予防
【はじめに,目的】スポーツ現場において理学療法士(以下,PT)によるメディカルサポート(以下,サポート)は全国的に広がってきており,その範囲も拡大しつつある。一方で聴覚障がい者スポーツにおけるサポートの実施報告は少なく,PTの関わりは他の競技と比較し少ない状況と考えられる。本研究の目的は,聴覚障がい者スポーツでPTがサポートを行うにあたっての工夫や特徴について整理検討し,今後の課題を明らかにすることである。
【方法】対象試合は第50回全国ろうあ者体育大会サッカー競技において,2日間のトーナメント形式にて行われた全8試合とした。参加したPTは延べ6名であった。大会本部で待機し,選手及び審判の要請を受けてサポート活動を実施した。サポート内容は主に試合前後のテーピング等のケア,傷害に対する応急処置,今後の対応方法の指導とし,対応内容を集計した。各会場に手話通訳者が配置され,PTが選手対応を行う際は手話及び筆談にて同席した。また大会前にはPTによるサポート内容について,大会広報を通じ参加チームにアナウンスを行った。
【結果】2日間で対応選手数は延べ16名,対応件数は延べ41件であった。対応件数41件のうち,試合前の対応は18件(44%),試合中の対応は1件(2%),試合後の対応は22件(54%)であった。試合前の対応18件のうち,テーピング実施が17件と大半を占めた。一方,試合後の対応22件のうちアイシングやテーピングといった応急処置対応は13件であり,傷害確認やリハ指導(筋トレ,ストレッチ等)及び今後の指導の件数が計9件と多くみられた。大会中の傷害発生は計12件であり,大腿部及び下腿が各3件,足関節2件,その他4件であった。受傷機転はコンタクトプレーに伴う打撲による受傷が9件(67%)と多くを占めた。
【結論】大会中の傷害発生はコンタクトプレーに伴う受傷が多く,健常者の場合と同様の傾向が示された。事前に大会広報を通じサポート実施のアナウンスがあったため,試合前の対応依頼も多く,また試合後の対応についての指導も多くあり,PTがスポーツ競技に関わる意義を十分にアピールできたのではないかと考える。今大会における我々の関わりの例からも,PT自身が手話等の技術を持ち合わせていない場合でも,手話通訳等のサポートを介することで現在のメディカルサポート体制の応用にて十分に対応可能であり,今後積極的に介入していく余地がある。対応の多くはPTの通常業務の延長で十分対応可能であると考えるが,様々な部位へのテーピングや応急処置等,一定のスポーツ現場での経験を必要とする対応も多くある。障がい者スポーツにPTがより積極的に関わるためには,スムーズにスポーツ現場に対応できるPTを育成することに加え,それぞれの障がいの特徴を踏まえ,他職種との協働を含めた対応方法を検討する必要があると思われた。
【方法】対象試合は第50回全国ろうあ者体育大会サッカー競技において,2日間のトーナメント形式にて行われた全8試合とした。参加したPTは延べ6名であった。大会本部で待機し,選手及び審判の要請を受けてサポート活動を実施した。サポート内容は主に試合前後のテーピング等のケア,傷害に対する応急処置,今後の対応方法の指導とし,対応内容を集計した。各会場に手話通訳者が配置され,PTが選手対応を行う際は手話及び筆談にて同席した。また大会前にはPTによるサポート内容について,大会広報を通じ参加チームにアナウンスを行った。
【結果】2日間で対応選手数は延べ16名,対応件数は延べ41件であった。対応件数41件のうち,試合前の対応は18件(44%),試合中の対応は1件(2%),試合後の対応は22件(54%)であった。試合前の対応18件のうち,テーピング実施が17件と大半を占めた。一方,試合後の対応22件のうちアイシングやテーピングといった応急処置対応は13件であり,傷害確認やリハ指導(筋トレ,ストレッチ等)及び今後の指導の件数が計9件と多くみられた。大会中の傷害発生は計12件であり,大腿部及び下腿が各3件,足関節2件,その他4件であった。受傷機転はコンタクトプレーに伴う打撲による受傷が9件(67%)と多くを占めた。
【結論】大会中の傷害発生はコンタクトプレーに伴う受傷が多く,健常者の場合と同様の傾向が示された。事前に大会広報を通じサポート実施のアナウンスがあったため,試合前の対応依頼も多く,また試合後の対応についての指導も多くあり,PTがスポーツ競技に関わる意義を十分にアピールできたのではないかと考える。今大会における我々の関わりの例からも,PT自身が手話等の技術を持ち合わせていない場合でも,手話通訳等のサポートを介することで現在のメディカルサポート体制の応用にて十分に対応可能であり,今後積極的に介入していく余地がある。対応の多くはPTの通常業務の延長で十分対応可能であると考えるが,様々な部位へのテーピングや応急処置等,一定のスポーツ現場での経験を必要とする対応も多くある。障がい者スポーツにPTがより積極的に関わるためには,スムーズにスポーツ現場に対応できるPTを育成することに加え,それぞれの障がいの特徴を踏まえ,他職種との協働を含めた対応方法を検討する必要があると思われた。