[P-TK-08-3] 当院のおける地域包括ケア病棟開設1年間の実態とその役割
Keywords:地域包括ケア病棟, 専従理学療法士, 亜急性期
【はじめに,目的】
近年,地域包括ケア病棟(以下,ケア病棟)の動向は注目されており,その実態や役割に関する報告は増えている。しかし,その報告の多くはケア病棟を最も利用される整形外科疾患患者についてである。当院は40床のケア病棟を開設し,国や地域包括ケア病棟協会の提起する運営が行えていた。今回,当院のケア病棟に入院された患者の特徴や経過からケア病棟の役割を明らかにする。
【方法】
対象は当院のケア病棟開設より1年間に入退院した患者250名とした。疾患名,年齢,同居家族の有無と人数,発症・受傷前居場所,入棟前居場所,入棟目的,入棟前の在院日数,ケア病棟の在院日数,リハビリテーション(以下,リハ)介入者の人数,入退院時の移乗・歩行の自立者の人数,転帰先,疾患名や発症・受傷からの期間により回復期リハ病棟(以下,回復期)への受け入れが不可能であった患者数を診療録から後方視的に調査を行った。
【結果】
疾患名は整形外科疾患97名,脳血管疾患79名,廃用症候群74名であり,平均年齢72.8±13.3歳。同居家族有が171名,そのうち71名では65歳以上の高齢者が介護者・被介護者になる老老介護であった。発症・受傷前居場所は自宅233名,病院3名,介護老人保健施設7名,有料老人ホーム6名,特別養護老人ホーム1名。入棟前居場所は当院急性期病棟82名,他病院101名,自宅67名であった。入棟目的はリハ継続215名,退院調整15名,他科治療の併用13名,その他7名。入棟前日数30.5±36.4日,ケア病棟平均在院日数36.6±16.7日。リハ介入者は250名全例。入退院時の移乗動作自立者は145名→193名,入退院時の歩行自立者は132名→174名。転帰先は自宅221名(88%),療養型病院3名,介護老人保健施設13名,有料老人ホーム12名,特別養護老人ホーム1名。回復期受け入れ不可能患者数は自宅からの入院患者を除いた183名のうち76名であった。
当院のケア病棟の特徴としては,当院を含めた急性期病院からの患者が183名(73%)と多く,急性期後の亜急性期の役割をはたしていた。さらにこれらの患者のうち76名は疾患や発症・受傷からの期間などから回復期へ転院ができなかった患者であった。また,在宅からの患者は67名(27%)であり,その中には腰痛によるADLの低下や痙縮に対するボツリヌス治療目的などの患者が含まれていた。以上のことから,当院ケア病棟は国や地域包括ケア病棟協会が提起している在宅復帰に向けた急性期病院からの患者と在宅からの患者の受け入れが行えていた。特に,急性期病院入院中の様々な理由から回復期への転院ができなくなった患者の受け皿としても機能していることが明らかになった。
【結論】
当院ケア病棟は在宅からのリハ目的の受け入れだけでなく,急性期病院からの受け皿を担っていた。また,回復期へ転院ができなかった場合にも在宅復帰にリハで支援できる役割を持っていると考える。
近年,地域包括ケア病棟(以下,ケア病棟)の動向は注目されており,その実態や役割に関する報告は増えている。しかし,その報告の多くはケア病棟を最も利用される整形外科疾患患者についてである。当院は40床のケア病棟を開設し,国や地域包括ケア病棟協会の提起する運営が行えていた。今回,当院のケア病棟に入院された患者の特徴や経過からケア病棟の役割を明らかにする。
【方法】
対象は当院のケア病棟開設より1年間に入退院した患者250名とした。疾患名,年齢,同居家族の有無と人数,発症・受傷前居場所,入棟前居場所,入棟目的,入棟前の在院日数,ケア病棟の在院日数,リハビリテーション(以下,リハ)介入者の人数,入退院時の移乗・歩行の自立者の人数,転帰先,疾患名や発症・受傷からの期間により回復期リハ病棟(以下,回復期)への受け入れが不可能であった患者数を診療録から後方視的に調査を行った。
【結果】
疾患名は整形外科疾患97名,脳血管疾患79名,廃用症候群74名であり,平均年齢72.8±13.3歳。同居家族有が171名,そのうち71名では65歳以上の高齢者が介護者・被介護者になる老老介護であった。発症・受傷前居場所は自宅233名,病院3名,介護老人保健施設7名,有料老人ホーム6名,特別養護老人ホーム1名。入棟前居場所は当院急性期病棟82名,他病院101名,自宅67名であった。入棟目的はリハ継続215名,退院調整15名,他科治療の併用13名,その他7名。入棟前日数30.5±36.4日,ケア病棟平均在院日数36.6±16.7日。リハ介入者は250名全例。入退院時の移乗動作自立者は145名→193名,入退院時の歩行自立者は132名→174名。転帰先は自宅221名(88%),療養型病院3名,介護老人保健施設13名,有料老人ホーム12名,特別養護老人ホーム1名。回復期受け入れ不可能患者数は自宅からの入院患者を除いた183名のうち76名であった。
当院のケア病棟の特徴としては,当院を含めた急性期病院からの患者が183名(73%)と多く,急性期後の亜急性期の役割をはたしていた。さらにこれらの患者のうち76名は疾患や発症・受傷からの期間などから回復期へ転院ができなかった患者であった。また,在宅からの患者は67名(27%)であり,その中には腰痛によるADLの低下や痙縮に対するボツリヌス治療目的などの患者が含まれていた。以上のことから,当院ケア病棟は国や地域包括ケア病棟協会が提起している在宅復帰に向けた急性期病院からの患者と在宅からの患者の受け入れが行えていた。特に,急性期病院入院中の様々な理由から回復期への転院ができなくなった患者の受け皿としても機能していることが明らかになった。
【結論】
当院ケア病棟は在宅からのリハ目的の受け入れだけでなく,急性期病院からの受け皿を担っていた。また,回復期へ転院ができなかった場合にも在宅復帰にリハで支援できる役割を持っていると考える。