[P-TK-12-4] 介護老人保健施設入所高齢者の身体組成と握力の関係
Keywords:高齢者, 身体組成, 握力
【はじめに,目的】近年,サルコペニアやフレイルといった筋肉量減少症状が着目されており,地域在住高齢者を中心に身体組成の研究が行われている。介護を必要とする施設入所高齢者の身体組成を検討している研究は少ない。身体組成の研究では加齢に伴い減少する骨格筋量について多く報告されているが,加齢とともに身体を占める割合が増える脂肪量に着目した研究はない。体格栄養評価をする際,体格の影響を除いた除脂肪量指数(FFMI:fat-free mass index),脂肪量指数(FMI:fat mass index)が用いられている。FFMI,FMIは除脂肪量または脂肪量を身長の二乗で除した指数である。FFMIは加齢による変化が少ないことから,高齢者の身体組成を評価する指標の一つとなる可能性があると言われている。
また,高齢者の虚弱を反映する身体機能評価の一つに握力がある。握力は全身の筋力やADLと関連があるといわれている。そこで本研究では,介護老人保健施設入所高齢者の身体組成を計測し,FFMIとFMIと握力の関係と調査することを目的とした。
【方法】対象は,介護老人保健施設に入所している立位可能な高齢女性9名(年齢90.8±4.8歳)である。要介護度は1-4(平均2.1±1.1,最頻値1,中央値2),BIは75-100であり,施設内の移動(歩行6名,車椅子3名)が自立していた。身体組成測定には,家庭用身体組成計インナースキャンBC-622(TANITA社製)を用いた。測定方法は,測定機器に定められている方法に従い立位にて行った。測定された体組成からFMI,FFMIを算出した。握力の計測にはスメドレー式握力計を使用し,座位にて左右計測し最大値を代表値とした。統計解析はPearsonの相関係数を求め,有意水準は5%とした。
【結果】対象者のFFMIは13.2±0.7kg/m2,FMIは6.3±2.4kg/m2であった。握力は9.7±3.8kgであった。FFMIと握力はr=0.59と中程度の相関がみられた。FMIと握力においてはr=0.83(p<0.01)と強い相関がみられた。FFMIとFMIにおいてはr=0.89(p<0.01)と強い相関がみられた。
【結論】加齢とともにFMIは増加するといわれているが,介護老人保健施設入所高齢者のFMIは先行研究の結果より低値を示した。また,FMIは筋肉量を含むFFMIより握力との関係が強いことが明らかになった。介護老人保健施設高齢者においては,FMIが身体機能評価の一つである握力と関連することが示された。
また,高齢者の虚弱を反映する身体機能評価の一つに握力がある。握力は全身の筋力やADLと関連があるといわれている。そこで本研究では,介護老人保健施設入所高齢者の身体組成を計測し,FFMIとFMIと握力の関係と調査することを目的とした。
【方法】対象は,介護老人保健施設に入所している立位可能な高齢女性9名(年齢90.8±4.8歳)である。要介護度は1-4(平均2.1±1.1,最頻値1,中央値2),BIは75-100であり,施設内の移動(歩行6名,車椅子3名)が自立していた。身体組成測定には,家庭用身体組成計インナースキャンBC-622(TANITA社製)を用いた。測定方法は,測定機器に定められている方法に従い立位にて行った。測定された体組成からFMI,FFMIを算出した。握力の計測にはスメドレー式握力計を使用し,座位にて左右計測し最大値を代表値とした。統計解析はPearsonの相関係数を求め,有意水準は5%とした。
【結果】対象者のFFMIは13.2±0.7kg/m2,FMIは6.3±2.4kg/m2であった。握力は9.7±3.8kgであった。FFMIと握力はr=0.59と中程度の相関がみられた。FMIと握力においてはr=0.83(p<0.01)と強い相関がみられた。FFMIとFMIにおいてはr=0.89(p<0.01)と強い相関がみられた。
【結論】加齢とともにFMIは増加するといわれているが,介護老人保健施設入所高齢者のFMIは先行研究の結果より低値を示した。また,FMIは筋肉量を含むFFMIより握力との関係が強いことが明らかになった。介護老人保健施設高齢者においては,FMIが身体機能評価の一つである握力と関連することが示された。