The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-12] ポスター(地域)P12

Sat. May 13, 2017 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-12-5] 運動感情が運動習慣化に与える影響と体組成の差について

石田 武希1, 後藤 未来2 (1.化学療法研究所附属病院リハビリテーション室, 2.社会福祉法人十字の園トレーニング型デイサービスぷらすワン)

Keywords:運動感情, 運動習慣, 体組成

【はじめに,目的】



運動の習慣化は,心身機能や歩行能力の向上,さらに心疾患・脳血管障害の発症予防,死亡率の低下,Quality of life(QOL)の向上に大きく貢献する。そのため定期的な運動を国民は推奨されている。しかし現在の国民の運動習慣者は目標値よりも低い状態であり,理学療法士も予防的観点から今後さらに国民の運動習慣化を促し,健康寿命の延長を促していく必要がある。運動習慣化と関係があるものとして,身体機能や精神機能など様々な要因が考えられるが,近年運動の好き嫌い(運動感情)が考えられている。運動が好き,つまり運動感情が高いと身体活動量が高くなると言われており,運動習慣へ影響を与える可能性が考えられる。

そこで本研究の目的は,運動習慣化に運動感情が与える影響を明らかにし,運動習慣化のためには運動感情を考慮した運動指導もしくは環境設定が必要であることを明らかにすることとする。

【方法】



本研究は,後向き調査にて実施し,地域主催のイベント時に調査した項目を解析した。対象者は40歳以上の方185名(平均年齢:61.7歳,男性:41名 女性:144名),同意が得られ質問・評価を受けた方を対象とし解析を実施した。運動習慣化の有無は質問2つから判断し,2つの質問を満たした場合運動の習慣化がされているとみなした。運動感情については「はい」,「いいえ」の2択で答えて頂いた。体組成の評価としてInbody430(Biospase社)を用い,骨格筋量と体脂肪率を評価し用いた。運動感情によって運動好き群と運動嫌い群に分け,運動習慣化への影響と各群での体組成の差を解析した。

統計的解析は,運動習慣化への運動感情の影響をカイ2乗検定にて,体組成の差の検定を対応のないt検定を用いて分析した。また有意水準は危険率5%未満とした。

【結果】



体脂肪率は,運動好き群のほうが低い値を示す傾向が認められた。年齢については,群間で差は認められなかった。運動感情と運動習慣化の間には有意な関係性が認められ,運動好き群は9.4倍,運動習慣化しやすいことが明らかとなった。また運動好き群は,運動嫌い群よりも筋肉量が高い値を認めた。

【結論】



本研究の結果から,運動感情は運動習慣化に影響を与える可能性があることが示唆された。また運動感情により運動習慣化が促されると,筋肉量が高い値を示す可能性も示唆された。以上のことより,運動の習慣化を促すためには,対象者の運動感情を高くするような運動方法や環境設定が必要である。