The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本地域理学療法学会 » ポスター発表

[P-TK-13] ポスター(地域)P13

Sat. May 13, 2017 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場 (国際展示場 展示ホール8)

日本地域理学療法学会

[P-TK-13-3] 徳島県西部地域における運動に関する地域特性

近藤 慶承 (徳島文理大学保健福祉学部理学療法学科)

Keywords:地域特性, 運動習慣, 高齢者

【はじめに,目的】

徳島県では全国に先駆けて,超高齢化が進んでいる。特に徳島県西部地域のみよし広域(三好市,三好郡2町)では,生産人口の減少と合わさり,深刻な社会問題となっている。本地域では各地区にて文化の違いや生活環境の違いがあるため,それぞれの地区に合う支援を考える必要性が高い。今回,運動に関するアンケートを実施することで,各地区の地域特性を調査検討し,より効果的な介護予防事業を構築する。

【方法】

みよし広域在住の60歳以上の住民約13,000名を対象に運動に関するアンケートを実施した。方法は,郵送による書面でのアンケート(チェック式,生年月日のみ記述式)とし,郵送にて返信いただいた。アンケート内容は,基本情報として性別,生年月日,また住まいについて旧市町村の地域に合せて8つの地域を選んでいただいた。運動に関する項目は,自覚的健康感,睡眠感,食欲感について5段階評価とした。運動習慣については,運動習慣の有無,運動頻度,運動時間,運動内容を調査した。身体状態の指標として,指輪っかテストを使用した。転倒経験については,過去1年間の転倒状況を調査した。また介護予防事業についての意識調査3項目を実施した。統計処理については,R2.1.8を使用し,シャピロ・ウィルクの正規性検定の後,8地区に区分してクラスカルワリス検定を行い,post hoc testとしてSteel-Dwass検定を実施した。有意水準は0.05とした。

【結果】

返送があったのは13,000件中7,268件で,有効回答数は5,080件(男性2,236名,女性2,844名)であった。全体では,運動習慣があると答えた者は64.9%であった。運動頻度では,毎日群26.5%,週4-6回群14.8%,週2-3回群17.3%,週1回群4.5%,月2-3回群1.8%であった。1回の運動時間では,2時間以上群8.6%,1-2時間群17.3%,30-60分群18.4%,20-30分群10.2%,10-20分群6.6%10分未満群3.8%であった。統計の結果,運動習慣については,池田町は旧三好町,旧三加茂町,山城町と比較し有意に運動習慣がない方が多く,また三野町は旧三好町,旧三加茂町,山城町,東祖谷山村,西祖谷山村と比較し有意に運動習慣のない方が多かった。運動頻度では,池田町は旧三好町,山城町,東祖谷山村と比較し,三野町は,井川町,旧三好町,旧三加茂町,山城町,東祖谷山村と比較し有意に運動頻度が多かった。運動時間では,池田町は旧三好町,旧三加茂町,山城町,東祖谷山村と比較し,三野町は旧三好町,東祖谷山村と比較し有意に運動時間が長かった。

【結論】

本研究の結果,運動習慣のあるなしでは山間部地域の方が,市街地域と比較し運動習慣のある方が多いことが明らかとなった。しかし,運動頻度と運動時間の項目では,市街地域の方が,山間部地域と比較し運動頻度も多く,1回の運動時間も長いことが明らかとなった。これは,生活環境が運動習慣に与える影響を考察する一助となる結果である。