[P-YB-01-4] 介護予防・日常生活支援総合事業における短期集中通所型サービスでの取り組み
サービス利用終了後の運動習慣・活動・参加に着目して
Keywords:運動習慣, 活動, 社会参加
【はじめに,目的】
これからの介護予防は,高齢者本人に対してだけではなく,取り巻く環境も含め,バランスのとれたアプローチが重要とされている。当院では,平成27年10月より介護予防・日常生活支援総合事業の中の短期集中通所型サービス(以下,事業)に,理学療法士(以下,PT)を派遣し,社会福祉協議会と協働して取り組んでいる。事業は週1回2時間,全22回の6ヶ月であり,目的は,利用者が運動器の機能低下に起因する日常生活上の支障等を自覚し,改善方法を習得すること,事業終了後も運動が継続でき,地域の通いの場等へ参加できるよう支援することである。PTは月2回派遣され,利用者の個別評価・運動指導に加え,健康増進や転倒予防,活動と参加についての講話や地域の通いの場を紹介することで,利用者の介護予防の知識を深め,地域で生きがいを持って生活できるよう支援している。また,実際の生活環境の確認や外出支援等が必要な利用者に対し,自宅訪問を行っている。今回,事業終了後の生活状況や運動習慣,活動・参加の状況についてアンケート調査を行い,事業の効果を検証したので,以下に報告する。
【方法】
対象は,平成27年10月から平成28年3月までの事業利用者34名のうち,アンケートに回答した29名(平均年齢81.4±7.6歳,要支援1;10名,要支援2;10名,事業対象者;9名)。調査は,事業終了時と終了3ヶ月後(以下,3ヶ月後)に行った。内容は,「現在の生活上の困難さ(歩行,入浴,階段,近所の外出,交通機関を利用した外出,軽い家事,重い家事)」「1ヶ月間の活動状況(連続歩行時間,外出機会,運動習慣,家庭での役割)」「転倒(不安感,転倒歴)」「地域の集いや趣味等のクラブへの参加状況」,3ヶ月後のみ「通所型サービスの利用状況」を調査した。回答方法は4段階の択一選択とした。
【結果】
3ヶ月後の結果,週1回以上,運動を行う者は79.3%,家庭での役割を行う者は72.4%,外出機会がある者は65.5%であった。地域の集い等への参加は月1回以上の者が62.1%であった。また,3ヶ月後に,運動や家庭での役割を行う機会が週2~3回以上の者は,地域の集い等への参加や外出機会が多い傾向であった。
【結論】
要支援者のほとんどは身のまわりの動作は自立しているが,買い物等の生活行為の一部に支障があるといわれている。今回の結果から,事業は生活行為や外出など行動の広がりにつながったと考えられる。今後の課題として,運動習慣や家庭での役割・外出が定着しにくい利用者には,自宅訪問を利用して環境調整や運動指導・外出支援を積極的に行うこと,事業終了後の通いの場や通所型サービスの利用を勧めることがあげられる。また,PTがケースカンファレンスやサービス担当者会議等に参加し,介護支援専門員や家族との関わりを通して,リハ職としてより具体的に利用者を支援することがあげられる。
これからの介護予防は,高齢者本人に対してだけではなく,取り巻く環境も含め,バランスのとれたアプローチが重要とされている。当院では,平成27年10月より介護予防・日常生活支援総合事業の中の短期集中通所型サービス(以下,事業)に,理学療法士(以下,PT)を派遣し,社会福祉協議会と協働して取り組んでいる。事業は週1回2時間,全22回の6ヶ月であり,目的は,利用者が運動器の機能低下に起因する日常生活上の支障等を自覚し,改善方法を習得すること,事業終了後も運動が継続でき,地域の通いの場等へ参加できるよう支援することである。PTは月2回派遣され,利用者の個別評価・運動指導に加え,健康増進や転倒予防,活動と参加についての講話や地域の通いの場を紹介することで,利用者の介護予防の知識を深め,地域で生きがいを持って生活できるよう支援している。また,実際の生活環境の確認や外出支援等が必要な利用者に対し,自宅訪問を行っている。今回,事業終了後の生活状況や運動習慣,活動・参加の状況についてアンケート調査を行い,事業の効果を検証したので,以下に報告する。
【方法】
対象は,平成27年10月から平成28年3月までの事業利用者34名のうち,アンケートに回答した29名(平均年齢81.4±7.6歳,要支援1;10名,要支援2;10名,事業対象者;9名)。調査は,事業終了時と終了3ヶ月後(以下,3ヶ月後)に行った。内容は,「現在の生活上の困難さ(歩行,入浴,階段,近所の外出,交通機関を利用した外出,軽い家事,重い家事)」「1ヶ月間の活動状況(連続歩行時間,外出機会,運動習慣,家庭での役割)」「転倒(不安感,転倒歴)」「地域の集いや趣味等のクラブへの参加状況」,3ヶ月後のみ「通所型サービスの利用状況」を調査した。回答方法は4段階の択一選択とした。
【結果】
3ヶ月後の結果,週1回以上,運動を行う者は79.3%,家庭での役割を行う者は72.4%,外出機会がある者は65.5%であった。地域の集い等への参加は月1回以上の者が62.1%であった。また,3ヶ月後に,運動や家庭での役割を行う機会が週2~3回以上の者は,地域の集い等への参加や外出機会が多い傾向であった。
【結論】
要支援者のほとんどは身のまわりの動作は自立しているが,買い物等の生活行為の一部に支障があるといわれている。今回の結果から,事業は生活行為や外出など行動の広がりにつながったと考えられる。今後の課題として,運動習慣や家庭での役割・外出が定着しにくい利用者には,自宅訪問を利用して環境調整や運動指導・外出支援を積極的に行うこと,事業終了後の通いの場や通所型サービスの利用を勧めることがあげられる。また,PTがケースカンファレンスやサービス担当者会議等に参加し,介護支援専門員や家族との関わりを通して,リハ職としてより具体的に利用者を支援することがあげられる。