[P-YB-06-5] 奈良県橿原市介護予防事業 元気な一歩会の取り組みについて
ロコチェックと自覚的幸福度
キーワード:介護予防事業, 健康寿命, サークル活動
【はじめに,目的】
奈良県橿原市の取り組みとして地域ごとに介護予防に繋がる活動をしているサークルをつくり,市内在住の65歳以上の方を対象にした介護予防事業がある。市民が自主的に集いの場を作ることで,高齢者同士が親睦を深め,介護予防に努めることを目的としている。今回,私達,理学療法士が中心となり「おみそしるの会」という介護予防サークルを立ち上げた。活動で念頭に置いていることは,ご本人で「自らする・できる」ようになること。そう繋がるまでの橋渡しを目的としている。このサークルは,こちらが一方的に行うものでなく,サポートの位置づけとし,健康寿命を延ばせるよう取り組みをしている。その内容をここに報告する。
【方法】
サークルには理学・作業療法士,言語聴覚士,看護師の10名が在籍している。それぞれの専門分野を活かし,個人単位で可能な範囲を考慮し,健康体操(有酸素運動)や個別運動メニューの指導,作成(パーソナルトレーニング)を実施。毎週1回定員を15名までとし2016年4月から公民館で開催している。医療や介護,日常生活相談も受けながら聞き取りやアンケートで「したいこと」の意見を集め,講習やご家族様にも参加してもらえるイベントを開催している。継続して参加されている10名を対象に4月と10月に日本整形外科学会が推奨している7項目のロコチェックを実施。さらに「あなたは,現在どの程度幸せですか」という自覚的幸福度を「とても幸せ」を10点,「とても不幸」を0点として10段階で自己評価させた。質問はすべて,個別に直接聴取し記録した。
【結果】
10名の結果をAからJとし,ロコチェック(4月/10月),自覚的幸福度(4月/10月)で記載した。
A:(2/1)(5/7),B:(3/2)(6/8),C:(3/2)(4/6),D:(3/2)(6/7),E:(3/2)(6/7),F:(2/1)(7/8),G:(4/3)(5/6),H:(3/3)(5/6),I:(3/3)(6/7),J:(2/2)(4/7)
(A~G)の7名がロコチェックの項目でチェック数が減少した。
(H~J)の3名はチェック数に変化はみられなかった。10名の自覚的幸福度が上昇しQOLの向上に繋がったと考えられる。
アンケートからは,皆でカラオケに行きたい,食事に行きたいなど外出への意欲が強く,希望した方を中心に段取りをしていただき私達は移動方法や,介助が必要な場所だけサポートや指導を行うことで,ご家族だけでも外出できたと報告があった。
【結論】
サークルに参加していただいている方の意欲向上がみられており,自発的な発言や行動が増加していることから,介護保険を使用せず,健康を地域で支えていくシステム作りに近づいたと考えられる。理学療法士として地域に貢献できる取り組みであり,継続することにより,ネットワークを通じて社会資源の活用を知ることができ,地域住民主体で介護を考えることができる地域力向上に繋がると考えられる。
奈良県橿原市の取り組みとして地域ごとに介護予防に繋がる活動をしているサークルをつくり,市内在住の65歳以上の方を対象にした介護予防事業がある。市民が自主的に集いの場を作ることで,高齢者同士が親睦を深め,介護予防に努めることを目的としている。今回,私達,理学療法士が中心となり「おみそしるの会」という介護予防サークルを立ち上げた。活動で念頭に置いていることは,ご本人で「自らする・できる」ようになること。そう繋がるまでの橋渡しを目的としている。このサークルは,こちらが一方的に行うものでなく,サポートの位置づけとし,健康寿命を延ばせるよう取り組みをしている。その内容をここに報告する。
【方法】
サークルには理学・作業療法士,言語聴覚士,看護師の10名が在籍している。それぞれの専門分野を活かし,個人単位で可能な範囲を考慮し,健康体操(有酸素運動)や個別運動メニューの指導,作成(パーソナルトレーニング)を実施。毎週1回定員を15名までとし2016年4月から公民館で開催している。医療や介護,日常生活相談も受けながら聞き取りやアンケートで「したいこと」の意見を集め,講習やご家族様にも参加してもらえるイベントを開催している。継続して参加されている10名を対象に4月と10月に日本整形外科学会が推奨している7項目のロコチェックを実施。さらに「あなたは,現在どの程度幸せですか」という自覚的幸福度を「とても幸せ」を10点,「とても不幸」を0点として10段階で自己評価させた。質問はすべて,個別に直接聴取し記録した。
【結果】
10名の結果をAからJとし,ロコチェック(4月/10月),自覚的幸福度(4月/10月)で記載した。
A:(2/1)(5/7),B:(3/2)(6/8),C:(3/2)(4/6),D:(3/2)(6/7),E:(3/2)(6/7),F:(2/1)(7/8),G:(4/3)(5/6),H:(3/3)(5/6),I:(3/3)(6/7),J:(2/2)(4/7)
(A~G)の7名がロコチェックの項目でチェック数が減少した。
(H~J)の3名はチェック数に変化はみられなかった。10名の自覚的幸福度が上昇しQOLの向上に繋がったと考えられる。
アンケートからは,皆でカラオケに行きたい,食事に行きたいなど外出への意欲が強く,希望した方を中心に段取りをしていただき私達は移動方法や,介助が必要な場所だけサポートや指導を行うことで,ご家族だけでも外出できたと報告があった。
【結論】
サークルに参加していただいている方の意欲向上がみられており,自発的な発言や行動が増加していることから,介護保険を使用せず,健康を地域で支えていくシステム作りに近づいたと考えられる。理学療法士として地域に貢献できる取り組みであり,継続することにより,ネットワークを通じて社会資源の活用を知ることができ,地域住民主体で介護を考えることができる地域力向上に繋がると考えられる。