[P-YB-25-4] 運動の捉え方に着目したカウンセリングの即時効果の検討
健康診断後の健康教室における当院の予防的関わり
Keywords:健康教室, 運動指導, カウンセリング
【はじめに,目的】
笛吹市では,特定健康診査の保健指導において,特定の基準を満たした者に対し健康教室を実施している。メタボリックシンドローム対策であるチャレンジ脱メタボ教室(以下,脱メタボ教室)と,動脈硬化対策である動脈硬化予防教室にて,当院リハビリテーション科が患者教育視点の運動指導プログラムを考案,実施した。本報告は,動機づけに着目したカウンセリングの即時効果について分析する。
【方法】
健康教室は基準によって脱メタボ教室,動脈硬化予防教室に分かれ,希望者に当院で運動指導が行われた。測定は身体組成測定(IN BODY720;バイオスペース社),身体機能測定に膝伸展筋力(Nm/kg),長座体前屈,Functional Reach Test,閉眼片脚立位を測定した。質問紙で運動に対する自信度と重要度のVAS(Visual Analog Scale)と,運動の準備性(行動変容ステージ)の回答を得た。以上の情報を元に,運動を実施するためのカウンセリングを個別に30分行った。カウンセリングは行動変容を目標とし,傾聴や助言による運動への考え方が変容する支援を中心に実施した。また,対象者によっては実際の運動指導も併せて行った。カウンセリング後に再度,質問紙を回答してもらい,即時的な変化を評価した。脱メタボ教室と動脈硬化教室ではカウンセリング前の質問回答時期に差があるため,分けて分析した。誤答,体調不良などを除外して算出し,検定は対応のあるt検定,Wilcoxonの符号付順位検定を用い,優位水準5%未満,解析にJMPver11を用いた。
【結果】
各教室の参加者は,脱メタボ教室は16名(年齢63.4±9.8歳,男女比1:1,BMI 25.7±2.9),動脈硬化予防教室は11名(年齢65.5±9.4歳,男女比2:9,BMI 23.5±3.3)となった。質問紙でのカウンセリング前後の即時効果判定は,脱メタボ教室で自信度51.6±19.1mmから68.3±15.7mm(p<0.0001),重要度89.4±13.2mmから92.3±8.8mm(p<0.09)となった。動脈硬化予防教室は自信度44±27.3mmから69.1±35.0mm(p<0.002),重要度88.8±18.0mmから97.3±6.8mm(p<0.06)となった。カウンセリングでは,運動器の痛みの訴えが8名にあり,運動の方法がわからないといった訴えが11名にあった。
【結論】
運動を継続して実施するには,動機づけなどの行動変容を促すプログラムが有効とされている。参加者は運動の重要性は理解しているが,具体的な運動方法がわからない,関節痛などの他の要素で運動が行えないといった理由から,運動に対する自信度が低下している傾向性がみられた。本結果は,個別にカウンセリングを行うことは,対象者の意識を即時的に変化させることが可能であることを示唆している。問題として,単発のプログラムのため長期的な効果がわからない点があり,今後は対象者が継続的に運動できる支援が必要と考える。
笛吹市では,特定健康診査の保健指導において,特定の基準を満たした者に対し健康教室を実施している。メタボリックシンドローム対策であるチャレンジ脱メタボ教室(以下,脱メタボ教室)と,動脈硬化対策である動脈硬化予防教室にて,当院リハビリテーション科が患者教育視点の運動指導プログラムを考案,実施した。本報告は,動機づけに着目したカウンセリングの即時効果について分析する。
【方法】
健康教室は基準によって脱メタボ教室,動脈硬化予防教室に分かれ,希望者に当院で運動指導が行われた。測定は身体組成測定(IN BODY720;バイオスペース社),身体機能測定に膝伸展筋力(Nm/kg),長座体前屈,Functional Reach Test,閉眼片脚立位を測定した。質問紙で運動に対する自信度と重要度のVAS(Visual Analog Scale)と,運動の準備性(行動変容ステージ)の回答を得た。以上の情報を元に,運動を実施するためのカウンセリングを個別に30分行った。カウンセリングは行動変容を目標とし,傾聴や助言による運動への考え方が変容する支援を中心に実施した。また,対象者によっては実際の運動指導も併せて行った。カウンセリング後に再度,質問紙を回答してもらい,即時的な変化を評価した。脱メタボ教室と動脈硬化教室ではカウンセリング前の質問回答時期に差があるため,分けて分析した。誤答,体調不良などを除外して算出し,検定は対応のあるt検定,Wilcoxonの符号付順位検定を用い,優位水準5%未満,解析にJMPver11を用いた。
【結果】
各教室の参加者は,脱メタボ教室は16名(年齢63.4±9.8歳,男女比1:1,BMI 25.7±2.9),動脈硬化予防教室は11名(年齢65.5±9.4歳,男女比2:9,BMI 23.5±3.3)となった。質問紙でのカウンセリング前後の即時効果判定は,脱メタボ教室で自信度51.6±19.1mmから68.3±15.7mm(p<0.0001),重要度89.4±13.2mmから92.3±8.8mm(p<0.09)となった。動脈硬化予防教室は自信度44±27.3mmから69.1±35.0mm(p<0.002),重要度88.8±18.0mmから97.3±6.8mm(p<0.06)となった。カウンセリングでは,運動器の痛みの訴えが8名にあり,運動の方法がわからないといった訴えが11名にあった。
【結論】
運動を継続して実施するには,動機づけなどの行動変容を促すプログラムが有効とされている。参加者は運動の重要性は理解しているが,具体的な運動方法がわからない,関節痛などの他の要素で運動が行えないといった理由から,運動に対する自信度が低下している傾向性がみられた。本結果は,個別にカウンセリングを行うことは,対象者の意識を即時的に変化させることが可能であることを示唆している。問題として,単発のプログラムのため長期的な効果がわからない点があり,今後は対象者が継続的に運動できる支援が必要と考える。