第52回日本理学療法学術大会

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日本呼吸理学療法学会企画 » シンポジウム

[RS-1] シンポジウム 呼吸理学療法の多様性

2017年5月12日(金) 12:50 〜 14:20 B2会場 (東京ベイ幕張ホール No. 3・4)

座長:玉木 彰(兵庫医療大学大学院医療科学研究科), 座長:岸川 典明(愛知医科大学病院リハビリテーション部)

日本呼吸理学療法学会企画

[RS-1-3] 人工呼吸器に目を向けてみよう―人工呼吸器から得られる情報―

横山 仁志 (聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部)

近年,ICUにおける人工呼吸患者の早期リハビリテーションが世界的に注目されている。人工呼吸器装着下でのリハビリテーションは,早期ウィーニングや抜管の促進,ICU獲得性筋力低下(ICU acquired-weakness:ICU-AW)などをはじめとする集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)の改善を目的とした重要な治療的介入として位置付けられており,今後も高いニーズのもと,介入の頻度がより高まることが予測される。

人工呼吸器が装着された患者に対するリハビリテーションを進めるうえで,呼吸状態の把握は必須である。そのために,人工呼吸患者の多角的なアセスメントの重要性は言及するまでもない。人工呼吸器は生命維持装置を担うと同時に,換気モードやその設定,換気パラメータ,グラフィックモニタなどから呼吸状態のモニタリング機器とし,また,肺コンプライアンスや気道抵抗,呼吸予備能などの評価機器として,呼吸に関する多くの有益な情報を提供してくれる。それらの情報や測定値は,呼吸状態の把握のみならず,我々の介入時のリスク管理,介入方法の検討,効果判定など広く活用可能となる。理学療法士が呼吸状態を把握する際,視診,触診や聴診といった患者のフィジカルアセスメントは比較的得意とするところである。しかしながら,呼吸状態を把握するために患者に装着された人工呼吸器から詳細に情報を収集することは,教育体制が十分に行き届いていない点から不得意なところが多い。

本シンポジウムでは,人工呼吸患者の介入に関与する理学療法士の視野を広げ,アセスメント能力の向上を目指す目的で,人工呼吸器から得られる情報の収集やアセスメントの方法について論じる。