第52回日本理学療法学術大会

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日本呼吸理学療法学会企画 » ワークショップ

[RS-2] ワークショップ 早期リハビリテーションの標準化に向けて~エキスパートコンセンサスからの提言~

2017年5月12日(金) 14:40 〜 15:40 B2会場 (東京ベイ幕張ホール No. 3・4)

司会:神津 玲(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻理学・作業療法学講座)

日本呼吸理学療法学会企画

[RS-2-1] 日本集中治療医学会「早期リハビリテーション~根拠に基づいたエキスパートコンセンサス~」の概要

高橋 哲也1,2, 安藤 守秀2, 飯田 有輝2, 尾崎 孝平2, 小幡 賢吾2, 神津 玲2, 小松 由佳2, 山下 康次2, 宇都宮 明美2, 西田 修2 (1.東京工科大学医療保健学部理学療法学科, 2.日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会)

近年,集中治療領域での早期リハビリテーションが注目されているが,わが国の集中治療領域で行われている早期リハビテーションは,経験的に行われていることが多く,その内容や体制は施設により大きな違いがある。今後より高度急性期の病床機能の明確化が進む中で,集中治療領域での早期リハビテーションの確立や標準化は喫緊の課題である。
平成26年度より,日本集中治療医学会では,集中治療領域における早期リハビリテーションの内容や体制の標準化を進めることを目的に,「早期リハビリテーション検討委員会」が組織し,「早期リハビリテーション~根拠に基づいたエキスパートコンセンサス~」の作成を決定した。偏りがない内容と質の担保を図るために,系統的にエビデンスの収集に努め,相互査読を行い,パブリックコメントを求めるなどガイドライン作成に手法に準じた形で行うこととした。
このエキスパートコンセンサスは,集中治療室でのリハビリテーションの標準化を第一の目標に,集中治療医に早期リハビリテーションの現状や重要性を理解していただく目的が内包されている。集中治療医の理解なしに,集中治療室でのリハビリテーションの発展はありえない。また,このコンセンサスは,あくまでも最も標準的な治療指針であり,実際の診療行為を強制するものではない。また,最終的には施設の状況や個々の患者の状況に応じて,リハビリテーションの内容は決定されていくべきであるが,経験の浅い医療スタッフが多い施設や,集中治療室で早期リハビリテーションを積極的に実施していない施設において,大いに参考になるマニュアルとなることが期待される。
第4回日本呼吸理学療法学会ワークショップでは,日本集中治療医学会の早期リハビリテーション検討委員会が作成した「早期リハビリテーション~根拠に基づいたエキスパートコンセンサス~」の作成の経緯,目的,概要について紹介する。