[RS-2-2] 早期リハビリテーションエキスパートコンセンサスにおける早期離床の位置付け,意義,効果,実際について
重症患者に対する早期リハビリテーションの有効性が提唱されるようになって久しい。本邦でも早期リハビリテーションは多くの施設で認識され,集中治療室(ICU)で人工呼吸器をはじめ複雑なデバイス管理下にある患者であっても,立位や歩行などさまざまな取り組みが報告されている。
早期からの運動療法と離床は早期リハビリテーションの主幹であると言っても過言ではない。その実施と効果は理学療法単独では為しえず,プロトコルやリスク管理,多職種連携など包括的な関わりは重要である。したがって,その取り組みは設備やスタッフなど施設によって相違が生じるが,ある一定の基準は必要となる。実際には,適応や開始,中止の基準を設け,施行中のモニタリングやあらゆる事態に対応できるよう環境整備を行えば,早期からの運動や離床は,セッションの中断,重篤な身体への悪影響や有害事象が極めて少なく安全に実施可能である。
では,早期離床や早期の運動の介入による効果にはどのようなものが示されているのだろうか?限定的ではあるが,コンセンサスでは退室時の身体機能や基本動作,QOLの改善,人工呼吸器離脱の促進,ICU在室日数や在院日数の短縮,ならびに中長期の予後改善が示されている。また,ICUでのせん妄予防,患者・家族の精神的ストレス軽減の効果についても言及されている。一方,ICU-acquired weakness(ICU-AW)からの回復を促進するという科学的根拠は乏しい。また,退院後中長期のQOLを改善するという明確な根拠は今のところない。しかし,臨床的には早期離床や早期からの運動により,筋力やADL能力が改善する症例は多く経験するため,ICU-AWの評価,あるいはBIやFIMによるADL評価による効果の検証が期待される。
実際のところ,早期離床の意義は介入によるリスクとベネフィットのバランスから導かれる。離床することが目的ではなく,離床すると患者にとってどのような利益があるのかが重要である。
早期からの運動療法と離床は早期リハビリテーションの主幹であると言っても過言ではない。その実施と効果は理学療法単独では為しえず,プロトコルやリスク管理,多職種連携など包括的な関わりは重要である。したがって,その取り組みは設備やスタッフなど施設によって相違が生じるが,ある一定の基準は必要となる。実際には,適応や開始,中止の基準を設け,施行中のモニタリングやあらゆる事態に対応できるよう環境整備を行えば,早期からの運動や離床は,セッションの中断,重篤な身体への悪影響や有害事象が極めて少なく安全に実施可能である。
では,早期離床や早期の運動の介入による効果にはどのようなものが示されているのだろうか?限定的ではあるが,コンセンサスでは退室時の身体機能や基本動作,QOLの改善,人工呼吸器離脱の促進,ICU在室日数や在院日数の短縮,ならびに中長期の予後改善が示されている。また,ICUでのせん妄予防,患者・家族の精神的ストレス軽減の効果についても言及されている。一方,ICU-acquired weakness(ICU-AW)からの回復を促進するという科学的根拠は乏しい。また,退院後中長期のQOLを改善するという明確な根拠は今のところない。しかし,臨床的には早期離床や早期からの運動により,筋力やADL能力が改善する症例は多く経験するため,ICU-AWの評価,あるいはBIやFIMによるADL評価による効果の検証が期待される。
実際のところ,早期離床の意義は介入によるリスクとベネフィットのバランスから導かれる。離床することが目的ではなく,離床すると患者にとってどのような利益があるのかが重要である。