第52回日本理学療法学術大会

講演情報

学校保健・特別支援教育理学療法部門企画 » 特別講演

[SG-3] 特別講演 学校保健・特別支援教育理学療法の現状と課題

2017年5月12日(金) 12:50 〜 13:50 A3会場 (幕張メッセ国際会議場 中会議室201)

司会:多田 智美(鈴鹿医療科学大学理学療法学科)

学校保健・特別支援教育理学療法部門企画

[SG-3-3] 特別支援教育におけるリハビリテーションの現状と課題およびその支援について

眞鍋 克博 (帝京科学大学医療科学部東京理学療法学科)

1.特別支援教育におけるリハビリテーションの現状と課題
学校における「身体への取り組み」は,およそ8割がPT・OT免許を持たない教員によって行われている。その取り組みは基本的ADLに限られているが,その効果は「生活活動の範囲」を拡大し,学校における「日常生活」を充実させ,惹いては「学校参加」を促進するとして保護者の期待は,果てしなく大きいことが明らかにされている。
また「在宅訪問リハ支援によって学校参加」は,教員のおよそ8割が「充実する」と答え,保護者の回答より1割ほどその割合が高く,学校へのリハセラピスト支援によって「学校生活の自立は促進する」と回答した者が9割を占めたことは,学校教育における支援の補完的機能として,訪問リハ支援が期待されていることを報告する。
2.特別支援教育におけるリハビリテーション支援について
近年,障害児(者)の疾病障害は,重度・重複化する一方,学習障害などの発達障害を持つ子供の教育支援や社会適応上の問題が増加し,リハニーズは増大するとともに深化している。社会参加を促進するため教育領域においても,リハ理論並びにその技術が自立支援の手段として活用されることが期待されている。しかし,特別支援教育へのリハ支援体制やまたそれを担う人材育成等のインフラは整っていない。また,リハ系学科を有する大学において特別支援教育を担う人材育成を推進する上で,特別支援教育における医療と教育との関係構築に向けた課題があること,それを担う人材養成機関としてシステムの構築という2つ課題を抱えている。PT・OTの免許取得者に与えられる試験免除科目並びに受験資格について,リハ系大学において在学中に科目履修した者にも適用されるという規制緩和策が特別支援教育におけるリハ促進と潜在的人材不足に有効であることを報告する。