第52回日本理学療法学術大会

講演情報

徒手理学療法部門企画 » 教育講演

[SG-6] 教育講演 徒手理学療法部門におけるエビデンスの構築に向けたプロジェクト研究

2017年5月12日(金) 18:10 〜 19:10 A2会場 (幕張メッセ国際会議場 国際会議室)

司会:竹井 仁(首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域)

徒手理学療法部門企画

[SG-6-2] 徒手理学療法の運動機能・生活機能に対する効果

浅田 啓嗣1, 瓜谷 大輔2, 公森 隆夫3, 松村 将司4, 大石 敦史5, 亀尾 徹6, 佐伯 武士7, 山内 正雄8, 来間 弘展8, 白尾 泰宏9, 原 清和10, 竹井 仁8 (1.鈴鹿医療科学大学保健衛生学部理学療法学科, 2.畿央大学大学院健康科学研究科, 3.市立備前病院リハビリテーション科, 4.杏林大学保健学部理学療法学科, 5.船橋整形外科病院理学診療部, 6.新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科, 7.ELT健康増進研究所, 8.首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域, 9.今村病院分院リハビリテーション科, 10.札幌第一病院リハビリテーション科)

徒手理学療法は理学療法の治療手段の一つとして,運動器由来の機能障害を有する患者の生活機能向上を目的に施行される。単に徒手的な技術による疼痛の軽減や関節可動域の改善だけではなく,運動を行いやすい状況を作り運動機能・生活機能の改善を図る一連のマネージメントを行う治療である。徒手理学療法部門では,本邦における徒手理学療法の効果を明らかにするため,日本理学療法士協会の協力のもと多施設共同研究を企画した。
対象は,A.50~85歳の保存治療中の変形性股関節症患者,B.50~85歳の保存治療中の変形性膝関節症患者,C.20~60歳で3ヶ月以上腰痛が持続している非特異的腰痛症患者,D.20歳以上で3ヶ月以上の肩の疼痛や可動域制限を有する肩関節周囲炎(癒着性関節包炎,凍結肩)患者である。各疾患に対し徒手理学療法または通常理学療法を施行し,その効果について調査した。評価項目はE-sas,SF-36,部位別の患者立脚型アンケート(股・膝関節:WOMAC,腰部:JOABPEQ・The Keele STarT Back Screening Tool,肩関節:shoulder36)とし,理学療法開始時,4週後,8週後,16週後(または理学療法終了時)に実施した。患者を徒手理学療法群と通常理学療法群に振り分けて介入を行った。徒手理学療法群は対象疾患別に当部門で提示した手技と運動療法・運動指導を行った。徒手理学療法を行う理学療法士は,国際整形徒手理学療法連盟(IFOMPT)が認定する整形徒手理学療法認定士(OMPT)または徒手理学療法群の治療プログラムを理解して実践でき,一定の水準の徒手理学療法が提供できると判断された理学療法士とした。通常治療群は理学療法士が運動療法・運動指導を主に行い,他動的な治療は他動運動およびストレッチのみとした。両群とも評価に基づき,提示したプログラムリストから選択した内容を,各施設で適用している時間(1~3単位)のなかで調整し施行した。
本講演では研究結果について報告を行う。