The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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栄養・嚥下理学療法部門企画 » ミニシンポジウム

[SG-7] ミニシンポジウム 栄養・嚥下理学療法が目指すところ,期待すること

Fri. May 12, 2017 6:10 PM - 7:10 PM A3会場 (幕張メッセ国際会議場 中会議室201)

座長:網本 和(首都大学東京健康福祉学部理学療法学科)

栄養・嚥下理学療法部門企画

[SG-7-2] 栄養・嚥下理学療法に期待すること

若林 秀隆 (横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科)

最初に栄養・嚥下理学療法が目指すことは,「栄養理学療法とは何か」「嚥下理学療法とは何か」という定義,概念,理論を作ることである。栄養・嚥下理学療法とは何かが明確になると,理学療法士だけでなく多職種の中で,より栄養・嚥下理学療法が普及しやすくなると考える。リハビリテーション(以下リハ)栄養に関しては最近,理論的研究を行い以下のような定義を作成した。
リハ栄養とは,ICFによる全人的評価と栄養障害・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価,リハ栄養診断・ゴール設定を行ったうえで,障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・フレイルを改善し,機能・活動・参加,QOLを最大限高める「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である。
同時にリハ栄養を実践するためのリハ栄養ケアプロセスも作成した。リハ栄養ケアプロセスは,①リハ栄養アセスメント・診断推論,②リハ栄養診断,③リハ栄養ゴール設定,④リハ栄養介入,⑤リハ栄養モニタリングの5項目で構成され,繰り返し行うことでより質の高いリハ栄養を実践できると考える。
日本リハ栄養研究会の職種別会員数で最も多い職種は理学療法士であり,管理栄養士と並んでリハ栄養の中心的存在である。そのため,栄養・嚥下理学療法部門には多くの期待をしている。臨床面では,院内の栄養サポートチームや嚥下チームに理学療法士が必ず1人は参加する体制を整えてほしい。教育面では,卒前・卒後教育に役立つ栄養・嚥下理学療法のテキスト・教科書を早期に作成してほしい。研究面では,質の高い臨床研究の英語論文をより多く執筆することで,理学療法診療ガイドラインに栄養・嚥下理学療法を入れてほしい。マネジメント面では,部門登録人数をできるだけ増やして,部門から専門分野に移行することと,栄養・嚥下理学療法の専門理学療法士制度を作り専門理学療法士を育成することを期待している。