[SG-8] がんリハビリテーション~理学療法士に求められるもの~
我が国では,がん生存者が500万人を超える時代となり,がんが“不治の病”であった時代から“がんと共存”する時代になってきている。患者にとって,がん自体に対する不安は当然大きいが,がんの直接的影響や治療にともなう身体障害に対する不安も同じくらい大きい。がん患者ではがんの進行もしくはその治療の過程で,認知障害,摂食嚥下障害,発声障害,運動麻痺,筋力低下,拘縮,しびれや神経因性疼痛,四肢長管骨や脊椎の病的骨折,上下肢の浮腫など様々な機能障害が生じ,それらの障害によって移乗動作や歩行,ADLに制限を生じQOLの低下をきたしてしまう。がんリハビリテーション(以下,リハビリ)では,これらの問題に対して二次的障害を予防し,機能や生活能力の維持・改善を図ることを目的とする。
リハビリの内容は病期によって,予防的,回復的,維持的および緩和的リハビリの大きく4つの段階に分けられるが,周術期や治癒を目指した化学療法・放射線療法から進行がん・末期がん患者への対応まで,いずれの段階においてもリハビリ介入は必要である。
がん生存者が増加しつつある現在,高度がん専門医療機関やがん診療連携拠点病院のみならず,地域医療においてもリハビリのニーズはさらに高まっていくことが予想される。理学療法はがんリハビリの中核をなすので,理学療法士として,がんリハビリ分野に関する知識やスキルを高めていくことは,必須の要件となりつつある。
全国でばらつきなく高い質のがんリハビリを提供するためには,患者会との協力体制,リハ関連の学術団体が中心となった普及活動・臨床研究発展のための取り組み,リハ専門職の養成校の教育体制の充実,がん診療連携拠点病院を中心としたリハスタッフ間の交流,等が早急な課題である。
本講演では,原発巣や治療目的別の実際の取り組み方,緩和ケア主体の時期の役割,がん臨床研究への関わり等についてお話しする。
リハビリの内容は病期によって,予防的,回復的,維持的および緩和的リハビリの大きく4つの段階に分けられるが,周術期や治癒を目指した化学療法・放射線療法から進行がん・末期がん患者への対応まで,いずれの段階においてもリハビリ介入は必要である。
がん生存者が増加しつつある現在,高度がん専門医療機関やがん診療連携拠点病院のみならず,地域医療においてもリハビリのニーズはさらに高まっていくことが予想される。理学療法はがんリハビリの中核をなすので,理学療法士として,がんリハビリ分野に関する知識やスキルを高めていくことは,必須の要件となりつつある。
全国でばらつきなく高い質のがんリハビリを提供するためには,患者会との協力体制,リハ関連の学術団体が中心となった普及活動・臨床研究発展のための取り組み,リハ専門職の養成校の教育体制の充実,がん診療連携拠点病院を中心としたリハスタッフ間の交流,等が早急な課題である。
本講演では,原発巣や治療目的別の実際の取り組み方,緩和ケア主体の時期の役割,がん臨床研究への関わり等についてお話しする。