[YB-3-3] 高齢がん患者におけるフレイル対策
「平成28年版高齢社会白書」によれば,本邦における平成27年の65歳以上の高齢者人口の割合は26.7%と過去最高となっており,高齢化率は今後も上昇し続けると言われている。この高齢化に伴い,高齢がん患者数も年々増加してきており,がん医療においても高齢者対策が急務とされている。しかしながら,高齢がん患者は,既に臓器機能障害や併存症を有している頻度が高いことや治療に伴う重篤な合併症や副作用が生じやすいといったことから,通常の臨床試験の対象外となることが多く,高齢がん患者に対する治療の意思決定に寄与するエビデンスが乏しいのが現状である。
一方,近年では,高齢者の健康寿命や要介護状態に大きな影響を与える要因としてフレイル(虚弱)の存在が注目されつつあり,介護予防の分野では様々なフレイル対策が講じられるようになってきている。高齢がん患者においても同様であり,フレイルの存在は術後合併症や機能障害,化学療法や放射線療法の副作用の発生や重度化に繋がるといった報告も出てきており,高齢がん患者に関する研究も少しずつ広がりを見せてきている。このような状況の中,がん医療の現場においては,高齢がん患者の身体的・精神的・社会的なフレイルをどのように評価するのか,そして,その結果を治療方針や治療の遂行にどう反映していくのかが最優先の課題となっている。
本発表では,リハビリテーション(特に理学療法)の分野における高齢がん患者のフレイル対策の最近の動向を整理するとともに,『予防』の観点から理学療法士が取り組むべき今後の課題を明らかにする。
一方,近年では,高齢者の健康寿命や要介護状態に大きな影響を与える要因としてフレイル(虚弱)の存在が注目されつつあり,介護予防の分野では様々なフレイル対策が講じられるようになってきている。高齢がん患者においても同様であり,フレイルの存在は術後合併症や機能障害,化学療法や放射線療法の副作用の発生や重度化に繋がるといった報告も出てきており,高齢がん患者に関する研究も少しずつ広がりを見せてきている。このような状況の中,がん医療の現場においては,高齢がん患者の身体的・精神的・社会的なフレイルをどのように評価するのか,そして,その結果を治療方針や治療の遂行にどう反映していくのかが最優先の課題となっている。
本発表では,リハビリテーション(特に理学療法)の分野における高齢がん患者のフレイル対策の最近の動向を整理するとともに,『予防』の観点から理学療法士が取り組むべき今後の課題を明らかにする。