The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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日本予防理学療法学会企画 » シンポジウム

[YB-4] シンポジウム 認知症とフレイル予防の戦略

Sun. May 14, 2017 12:30 PM - 2:00 PM B1会場 (東京ベイ幕張ホール No. 1・2)

座長:古名 丈人(札幌医科大学保健医療学部理学療法学科)

日本予防理学療法学会企画

[YB-4-1] 認知症施策の推進について

宮腰 奏子 (厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室)

新オレンジプランが目指すもの
高齢化に伴う認知症の人への対応は,今や世界共通の課題となっている。世界でもっとも早いスピードで高齢化が進んできた日本には,全国的な介護保険制度の下,重要な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの実現を目指す中で,社会を挙げた認知症の取り組みのモデルを示していくことが期待されている。
2015年1月に策定された認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)は,厚生労働省だけではなく,政府一丸となって認知症の人の生活全体を支えるよう,我が国の認知症施策を加速するための新たな戦略を策定するという総理の指示に基づき,厚生労働省を中心に関係12省庁が共同して策定されたものである。
総合戦略は以下の7つの柱に沿って施策を推進する構成となっているが,特に,「認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくり」を柱建てし,地域で認知症の人を見守る体制づくりから詐欺などの消費者被害の防止に至るまで,省庁横断で具体的な施策を挙げて一体的に推進することとした点は,世界の認知症国家戦略の中でも特徴的なものとなっている。
①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
③若年性認知症施策の強化
④認知症の人の介護者への支援
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
⑥認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
⑦認知症の人やその家族の視点の重視
新オレンジプランで目指すものについて,今後,700万人,5人に一人が認知症になるという2025年に向け,誰もが認知症に関わりうる社会として取り組むべき課題等について検討する。