第6回日本地域理学療法学会学術大会

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教育講演

教育講演2

[K2] 教育講演2

Sat. Dec 14, 2019 3:20 PM - 4:20 PM Room1 (Terrsa hall)

地域包括ケアシステム推進に向けての先進的実践-但馬長寿の郷の取り組み-
講師:小森昌彦
司会:今井陽一

3:20 PM - 4:20 PM

[K2-01] 地域包括ケアシステム推進に向けての先進的実践 -但馬長寿の郷の取り組み-

*小森 昌彦1 (1. 兵庫県但馬県民局但馬長寿の郷 地域ケア課)

地域包括ケアシステムは、自助、互助、共助がそれぞれ有機的につながり、住み慣れた地域で暮し続けることを目指した仕組みであり、市町の果たす役割は大きい。
兵庫県但馬県民局但馬長寿の郷(以下当郷)は、兵庫県北部に位置する過疎と高齢化の著しい但馬地域を「生きがいに満ち、安心して暮らせる地域」とするために県が設置した地方機関であり、但馬地域の3市2町が実施している「介護予防・日常生活支援総合事業」の企画・実施の支援等を行っている。
当郷では、平成9年から但馬の市町(当時1市18町)を対象に老人保健事業の支援を行っており、平成12年からは、介護保険法に伴う市町の業務の支援を行っている。
現在、市町支援として、集いの場立ち上げ企画・運営、地域ケア会議の企画・運営、通所事業所での職員教育等の支援を行っており、内容は「地域リハビリテーション活動支援事業」に似ている。
ただ、我々の役割は「市町の事業のお手伝い」ではなく、県の立場で市町の事業を円滑に推進するように導くことであり、市町とのコミュニケーションを密にし、常に事業の進捗状況や市町ごとの課題を整理し、それを市町にフィードバックして次年度事業の展開に活かしている。
「地域リハビリテーション活動支援事業」が始まり、理学療法士も医療機関から地域に出向き、地域ケア会議や地域住民への体操指導に関わることが多くなったが、その一方で、どのように関わって良いのか分からないといった声を聞くことも少なくない。 
そこで、当郷が行っている市町支援の具体的な取り組みを紹介するとともに「事業のお手伝い」としてではなく、専門職としての専門性を事業の中でどのように反映させるかなどを報告する。
また、「地域包括ケアシステム」の今後の方向性についても解説し、地域包括ケアシステム推進における理学療法士の果たすべき役割を考える機会としたい。