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[K3-01] 高齢者における活動の再考
高齢期の日常生活における「活動(activity)」を促進することは、健康寿命の延伸を目指すうえでの重要な課題のひとつと考える。ここでは、日常におけるさまざまな活動を「身体的活動(physical activity)」、「知的活動(cognitive activity)」、「社会的活動(social activity)」の大きく3つに分類して、高齢期におけるこれらの活動が健康関連指標へ及ぼす影響から、その意義と活動を促進するための取組について紹介する。
身体的活動は、心疾患やがん、認知症などの発症リスクを軽減させることに寄与することが、数多くの先行研究によって報告されており、健康長寿のために身体的活動を促進することへ疑う余地はないであろう。しかしながら、身体的活動を増加させるほどに望ましいかについては慎重になるべきであろう。Leeら(2019)が高齢女性16741名を対象に1日の歩数と死亡発生との関連を縦断的に調べたところ、約7500歩に達するまでは1日歩数の増加は死亡リスク低減と関連したが、1日10000歩に達することの付加的な利得は認められなかった。
知的活動には、読書やパソコンの利用、ゲームなどが含まれ、これらの活動は認知症や軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)の発症に対しての保護的な役割が報告されている。日常的なこれらの知的活動の促進は、認知機能の低下を抑制するうえで重要であろう。
社会的活動においては、より複雑で高度な能力が求められることが多く、社会的活動は認知症の発症のほか、うつの発生の抑制にも有効であることが報告されている。
これらの活動を日常生活において促進するためには、きっかけづくりと継続のためのモチベーションの維持が重要であり、いかに日常でのこれらの活動を多面的に促進していくかが健康長寿の鍵になると考えられる。
身体的活動は、心疾患やがん、認知症などの発症リスクを軽減させることに寄与することが、数多くの先行研究によって報告されており、健康長寿のために身体的活動を促進することへ疑う余地はないであろう。しかしながら、身体的活動を増加させるほどに望ましいかについては慎重になるべきであろう。Leeら(2019)が高齢女性16741名を対象に1日の歩数と死亡発生との関連を縦断的に調べたところ、約7500歩に達するまでは1日歩数の増加は死亡リスク低減と関連したが、1日10000歩に達することの付加的な利得は認められなかった。
知的活動には、読書やパソコンの利用、ゲームなどが含まれ、これらの活動は認知症や軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)の発症に対しての保護的な役割が報告されている。日常的なこれらの知的活動の促進は、認知機能の低下を抑制するうえで重要であろう。
社会的活動においては、より複雑で高度な能力が求められることが多く、社会的活動は認知症の発症のほか、うつの発生の抑制にも有効であることが報告されている。
これらの活動を日常生活において促進するためには、きっかけづくりと継続のためのモチベーションの維持が重要であり、いかに日常でのこれらの活動を多面的に促進していくかが健康長寿の鍵になると考えられる。