第6回日本地域理学療法学会学術大会

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一般口述

多職種連携

[O] 一般口述7

Sat. Dec 14, 2019 4:30 PM - 5:30 PM Room3 (East Building 2nd floor, Middle Conference Room)

座長:渡邊 勧(介護老人保健施設桜の郷敬愛の杜 リハビリ課)

[O-039] ケアマネジャーに聞いたリハビリテーションサマリの現状と課題
~切れ目のない介護予防を目指して~

*小野 仁之1、金原 牧惠1、佐藤 美咲1、坂井 麻衣子1 (1. 社会福祉法人 聖隷淡路病院)

Keywords:リハビリサマリ、ケアマネジャー、情報共有

【はじめに・目的】
当院では、必要時ケアマネジャー(以下:CM)宛てにリハビリテーションサマリ(以下:サマリ)を送っているが、CMにとって必要な情報が掲載できているかは、不明確な状況である。今回CM宛てのサマリ内容が、CMにとって有用な情報であるかを調査する為、アンケートを行った。その結果と今後の課題について報告する。
【方法】
当院と関係のある淡路市内の居宅介護支援事業所15施設に在籍するCM59名に対して、郵送でアンケート調査を依頼した。アンケートは、無記名で5問の選択式及び1問の自由記載とした。質問の内容として、退院後のリハビリテーション(以下:リハビリ)サービス利用の有無に関わらずサマリを必要としているか、サマリの内容と運用についての2分野に分けて行った。返却方法は返信封筒を同封し、返送を依頼した。
【結果】
回答数は51名(86.4%)であった。経験年数1~5年目は39.2%、6~10年目は31.4%、11~18年目は23.5%、未回答は5.8%であった。
「サマリが届いたことがあるか」との問いに対して、ある52.9%、ない33.3%、分からない11.8%、未回答2%であった。
「リハビリサービスを利用する方に対して、サマリは必要だと思うか」 との問いに対して、思う94.1%、思わない0%、どちらでもいい3.9%、未回答2%であった。
「リハビリサービスを利用しない方に対して、サマリは必要だと思うか」との問いに対して、思う60.8%、思わない17.6%、どちらでもいい21.6%であった。
「サマリに、どのような情報が欲しいか」との問いは項目を記載し複数回答とした。項目毎に母数を回答者数(51名)とし、百分率で算出した。転倒予防78.4%、移動手段76.5%、介助方法76.5%、拘縮70.6%、入浴70.6%、リスク管理68.6%、トイレ66.7%、ポジショニング58.8%、食事58.8%、疾患54.9%、予後52.9%、更衣51.0%、寝たきり予防45.1%、入院中の家族との関わり43.1%、楽な座り方39.2%、社会復帰29.4%であった。
「サマリは、退院する何日前に必要か」 との問いに対して、当日0%、3日前11.8%、 1週間前45.1%、2週間前13.7%、カンファレンス前27.5%、未回答3.9%であった。
自由記載では、専門用語を使わないで欲しいという意見が多かった。
【結論】
リハビリサービスを利用する方は、サマリが必要だと思うとの回答数が多く、CMにとってサマリの必要性が高いことが分かった。
「サマリに、どのような情報が欲しいか」の問いに対して、CMがセラピストに求める情報として動作やADL項目の必要性が高く、社会復帰や家族との関わりについては必要性が低いことが分かった。
今回はCMがサマリを使う目的や活用方法を知るまでには至らなかった。今後は、CMがサマリを使う目的、時期を明確にすることで、より焦点の合った情報共有を図っていきたい。また、リハビリサービスを利用しない方に対しての情報共有についても、調査を進めていきたい。

【倫理的配慮、説明と同意】
本研究はヘルシンキ宣言に記載された倫理規約に則して行った。アンケートの依頼時に学会発表とプライバシー保護の主旨を伝え、同意を得た上で回答していただいた。